信ずる通りになるのが人生 日本電産社長 永守重信氏

永守重信 日本電産社長
経営者は孤独です。1988年に上場、しばらくして1ドルが80円を切り、50円までいくというエコノミストもいました。そんな、気持ちが下向きになるとき、この本を開いてきました。心が落ち着き、勇気づけられます。何百回も読みました。
何か、とんでもないことを教えてくれるわけではありません。しかし、天風さんが、とても楽観的で、可能性を信じていることに共感を覚えます。言っていることも単純明快。「どんな場合があっても消極的な言語表現をしないように気をつけなさいよ」「信念となると、それがいつかは具体化する」とかね。
それぞれ自分の言葉に言い換えます。前の方は「運命は自分の言葉と行動で決まる」。これ、私の人生訓ですな。もう一つは「信ずる通りになるのが人生」。
会社がつぶれるかもしれないと思いました。行き先を言わず、1カ月ぐらい図書館通いをしました。乗り切るヒントは自分で探すほかありません。
世界恐慌で1930年代に多くの会社がつぶれたのに、業績が急回復したところもあったのです。当時の海外の新聞、雑誌、関連する書籍を片っ端から当たりました。様々な資料の中にポロポロと出てくる米ゼネラル・エレクトリックなどの対応策がとても参考になりました。
そして、売り上げが半分になっても赤字にならない手法を編み出し、「賃下げをする。しかし解雇はしない」と真っ先に発表、グループで危機感を共有し、士気を高めました。おかげで業績は急回復しました。
天風さんはギブアップしたらあかん、すべては気持ち次第だということを確認させてくれるわけです。この心の姿勢がすべてのベースとなります。