敬意・傾聴・感謝 職場のチームワーク高める極意
仕事のチームで大きな成果を出したときの喜びは格別だ。息を合わせて一人ひとりの力の和の何倍もの成果を出すチームがある一方で、バラバラに空中分解するチームもある。どうすればメンバーの力を存分に発揮しながら、全体の力を最大にできるのか、チームワークの極意を達人に聞いた。

チーム力を高める企業研修を手がけるスマイルワークス(東京都中央区)代表取締役の村田祐造さんは「チーム力は、いかにメンバーにとって安心で安全な場を作るかにかかっている」と話す。自分が失敗したときや間違ったときに、責められることを誰もが怖がっているからだ。
安心で安全な場を作るために必要なのは、敬意、傾聴、感謝の3つだという。「互いに敬意の念を持とう」「人の話をきちんと聞こう」「『ありがとう』を言い合おう」とリーダーはメンバーに伝えるといい。それができると居心地が良くなり、伸び伸びと個性を発揮できるようになる。
そのうえで、リーダーはチームの目的と目標を明確に示す。目的とは何のためになぜやるのか、という部分だ。目標とはいつまでに数字を達成するのか、測定可能な部分。「2つを明確にすると、メンバーの意識がそこに集中し、達成のために知恵を出し合うようになる」。将来の理想像や仕事の社会的な意義を含めて、メンバーと共有しよう。
メンバーが失敗したときは「『ドンマイ&次』の精神が大事」と村田さん。落ち込んでいる人がいたら「もう気にしなくていいよ。失敗を次に生かす方法を一緒に考えよう」と声を掛ける。「失敗の経験から学んだ量にチーム力は比例し、失敗は絆を深めるチャンス」だという。