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ディスカウント店だけに「価格面での交渉は常に厳しい」が、西永賢治部長(50)は「藤波君が提案を断られて帰ってくるのは見たことがない」と話す。

販売データから他のチェーンに比べてお盆の時期に売り上げが多いことが見えてくると、その時期の納入価格を抑えるなどの工夫をする。藤波さんは大学の理学部を卒業してビールの営業になった変わり種。西永部長によると「数字の羅列からも傾向がつかめる」。

九州は全国平均よりもアサヒビールとキリンビールのシェアが高い。藤波さんは入社以来、九州本部でスーパーなどへの営業を担当していた。「高級ビールの『エビス』の販売を優先し、黒ラベルの提案は遠慮気味だった」

九州の消費者はディスカウント店でビールを多く買い、メーカーの販路でも位置づけが高いが、九州の外も含めて220あるダイレックスの店で黒ラベルを扱っていたのは40店ほど。全国で40年間売れ続けているだけに「手に取ってもらえれば」との自信はあった。

「5倍にします」

機会はほどなく巡ってきた。東京都内の取引先を回ることになったダイレックスの新穂芳昌会長(62)に同行。黒ラベルを扱っている福岡空港内のすし店に新穂氏を誘い、グラス1杯だけ飲んでもらった。東京・恵比寿のサッポロの本社で黒ラベルを説明した後に「この商品、うちでどれくらい売っているんだ」と聞かれ、「まだ定番ではありませんが、御社での売り上げを前年の5倍にする自信があります」と即答した。

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