ホスピタリティーの王者 お客の旅「一声」で支える
JTB 時田拓磨さん

野望は「旅行に行かなきゃというしくみをつくること」と話す
JTBが毎年開催している店舗販売のスキルを競う「JTBベストホスピタリティコンテスト」。2017年に優勝したのが、現在JTBトラベルゲート新宿(東京・新宿)で海外旅行を担当する時田拓磨さん(27)だ。
「言葉遣いに難ありと評価されました」。本人は笑って話すが、コンテストでは明るく、丁寧な接客に高い評価が集まった。実際店舗では、受付の順番が来た客を呼ぶときにサッとカウンターから出て声をかけ椅子を引くなど、小さな心遣いが際立つ。
2年に1回は海外に旅行し、高校時代は1年間オーストラリアに留学するなど旅との関わりが深かった時田さん。大学時代には飲食店でアルバイトし、接客の楽しさを知った。「自分の好きな接客と旅行を組み合わせて仕事ができたら最高だ」。そう考え14年、JTBに入社した。
接客には学生時代のアルバイトの経験が生きている。飲食店では客を待たせているとき、「後で行きますからね」などと声をかけることを心がけていた。その一言で安心し、一切クレームは出なかったという。JTBの店舗でも、待っている客に「少しお待ち下さいね」など一声かけることを忘れない。
入社して最初に接客したのは、米ハワイへの旅行を考えていた中国籍の客だった。当時の時田さんはパスポートがあれば海外に行けると思っていたが、ビザの関連などで様々な手続きが必要なことを知った。
そこで分からないなりにも一つ一つ作業をこなす中で「一生懸命やればお客様にも伝わる」ことを感じた。その人は時田さんが池袋の店舗にいた4年間、毎年利用してくれる常連客になったという。