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スピードと継続を忘れない高津さんだが、顧客との距離感にも気を配る。普段は人見知りだという高津さん。「自分が知らない人と話すのに抵抗があるからこそ、話しかけられる側の気持ちがよくわかる」

相手が一番話しやすい雰囲気をつくり出そうと試行錯誤を重ねる。買ってほしいという気持ちばかりが先行すると顧客の心には響かない。自分が話したことに相手が何を考えているかを見極めることが重要だという。

雰囲気を大切に

売っているのが高額な商品だけに、購入に際して身構える人も多い。高津さんは相手が話しやすいよう顧客の雰囲気によって声のトーンや話し方を変えている。接客している姿を別の顧客が見て「高津さんってこういう人だったの?」と驚かれたこともあるというほどだ。

学生時代から人の人生に大きく関わるような営業の仕事をしたいと考えていた。大学時代に始めたサーフィンがきっかけで卒業後はいったんマリンスポーツのインストラクターとして働いたが、営業職への情熱は消えなかった。ある日のテレビのドキュメンタリー番組で中学時代の同級生が車の営業マンとして紹介されているのを見た。これがヤナセに入社したきっかけだ。

入社当時、営業部門では女性はまだ珍しく、上司や同僚が自分の扱いに戸惑っていると感じた。そこで、学生時代に体育会系だったこともあって、意識的にさばさばと男性的に振る舞うようにした。いまでも職場で周囲が仕事をしやすい雰囲気作りを心がけている。

ベンツの18年の販売台数は6万7554台。輸入車市場では15年以降4年連続でトップだ。高津さんのようなきめ細かな接客が、ベンツの快走を支えている。

(為広剛)

 たかつ・えみ
 大学卒業後、スキューバダイビングのインストラクターを経て、2006年にヤナセ入社。中古車販売を経験後、07年から世田谷支店で独メルセデス・ベンツの新車販売を担当。13年から神田支店勤務。
[日経産業新聞2019年4月11日付]

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