戸建て販売全国首位 「欲しい家」丁寧に問い続け提案
ミサワホーム甲信 横山聖太さん
人生最大の買い物を決めていくのだから対面で接客したいが、コロナ感染防止でオンライン接客も必要になっている。そこでも、営業姿勢は変わらない。今すぐ購入を決める必要がない顧客には「落ち着いてからでも遅くはないのではないですか」と語りかける。間取りプランのような資料はメールで送れば済むが、顧客が拒否しなければ自宅のポストまで届けに行くようにしている。

横山さんの真摯な接客姿勢に、ファンになる顧客も多い。コロナ下で頻繁な訪問は難しい時期が続くが、それでも多くの客から「たまには自宅に遊びに来てくれないか」「子供が会いたがっているから会いに行っていいか」「インターホン越しでもいいから顔を見せてくれないか」などの声が寄せられるという。
どんな形でも、顧客から「頼られる存在」として認めてもらった点に横山さんは一番やりがいを感じると話す。
苦い経験がある。前職は輸入車販売会社の営業担当だった。その頃、顧客から「あなたにはたくさんの客がいるかもしれないが、私にとってはあなたしかいないんだ」と言われた。販売台数が伸びるにつれ、どこか接客がおろそかになっていた。とにかく信頼を得られるような姿勢に改めようと心に決め、販売台数の全国1位に何度も輝くことができた。
今後は後進の育成にも力を入れていきたいと話す。営業の仕事にノルマはつきものだが、「お客様には全く関係のないこと。お客様の目線に立って信頼してもらえる、自分に合ったやり方を見つけてほしい」
成長した後輩にいつか営業成績が抜かれる、そんなことも喜べる営業パーソンでありたいと考えている。
(小田浩靖)
輸入車販売会社の営業を経て、13年にミサワホーム甲信入社。16~18、20年度の4回にわたってグループの戸建て販売戸数で全国1位に。長野県出身。