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 米国との付き合いは通商交渉の仕事を終えて航空機、武器、宇宙産業など防衛に絡む担当に変わると雰囲気が一変します。今度は米側から追及されるのではなく、連携や協力が重要になりました。仕事は今、日本で使っている対潜哨戒機や輸送機の新規開発要求、対人地雷禁止条約の批准と施行法づくり、情報収集衛星の立ち上げでした。

当時、航空・宇宙分野の勉強で米企業の視察に出向くのですが、印象深いのは秘密のベールに包まれた米ロッキード(現ロッキード・マーチン)の研究部門です。そこは有名な「スカンクワークス」と呼ばれる最新鋭戦闘機の開発現場でした。旅先で手に入れて読みふけったのがベン・R・リッチの『スカンクワークス』です。高高度偵察機「U-2」、世界初のステルス戦闘機「F-117A」の秘話などは興味深く、今も手元にあります。

 軍事を含めた難しい専門用語を一般の人々にも正確にわかりやすく解説する重要性が高まっています。

米国が宇宙軍をつくり、サイバー戦も注目の的です。日本には防衛、軍事技術の専門書はあっても、一般の人々が理解できる正確な記述の本が不足しています。そこで思い出すのが仕事上も接点があった軍事専門家の江畑謙介さんです。著書『兵器の常識・非常識』は、兵器の用途と技術の常識をわかりやすく解説した貴重な本でした。

過去の歴史、世界の現状、そして最先端の技術や文化。石油会社の経営に携わる今も知りたいことは山ほどあります。あらゆる興味に応えて真実を教えてくれる。本の魅力は尽きません。

(聞き手は編集委員 中沢克二)
[日本経済新聞朝刊2021年7月17日付]

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