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チーム活動で役回り認識

「私がかつて留学したカナダのUWCの高校では、何が得意で何が好きなのか、その延長線上にどんな夢を見ているかをみんなが語っていて衝撃でした。日本ではまず苦手教科の克服が優先だったので」

「留学先の高校では部活動で山岳救助隊か海洋救助隊を選ばなければなりませんでした。UWC創設者の教育哲学者、クルト・ハーンが人は限界に挑戦してこそ成長すると考えアウトドア教育を重視しました。私は山岳救助隊を選んでコンパスやロープの使い方、ロッククライミングを学びました。総決算として2年生の3月に全員が春山に登り、心身の限界に挑みます」

「力は強いが岩登りは遅いなど各自の特性が出ます。その総力を結集して山に登っていく。あの山に登る、という合意ができればチームで自分の役回りを考えるようになります。仕事も同じです。人それぞれリーダーのスタイルがあっていい。ISAKもアウトドア学習を強化しています」

――リーダーシップを育成するためにどんなカリキュラムがありますか。

「創造性(Creativity)、身体の鍛錬(Activity)、社会貢献(Service)を柱とする『CAS』の実践を通じて、リーダーとして育つ基礎を築きます。チームでどうしてそれをやりたいのか、ニーズはあるのかを問い続け、ゼロから1を創り出します」

「タジキスタンの村からISAKにきた1人の女生徒を中心とする6~7人のチームは、高等教育に縁がない地方からも大学に進学できるように塾を構想しました。しかし現地のボランティアが解散するなど困難に直面してチームは2人に減ってしまう。そこから彼女らは現地の大学と提携してプロジェクトを復活させました。失敗を経験することもリーダーシップの深い学びになります」

日本の教育界に新風を

「日本もこれからはもっと個性を認める教育が必要でしょう。日本の学校は一人一人『あなたは何?』と問うているでしょうか。『こうしなさい』という指導ばかりしていると、子どもたちに問いかける癖がなくなります。多様性に関しても『変わってるね』は日本ではネガティブな言葉になっていますよね」

――ISAK卒業生はどんな道に進んでいますか。

「欧米の名門大学に進む生徒が多いですが、1割ほどは大学入学前に1年間、世界を巡るなど『ギャップイヤー』を取ります。すぐ起業する子もいます。1期生の一人は起業に何度か失敗しましたが『ISAKのプロジェクトで手ひどい失敗をしたことがあるので、失敗は怖くない』と話してくれました」

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