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家もかしぐが、自分自身にも病が忍び寄ってきた。

小学低学年で頑固な一面もあって友達からは「頑ちゃん」といわれていました。教室でふざけていて友達にポンと肩を押されて倒れると運悪く机の角で背中を強打。肋膜(ろくまく)に水がたまり小児結核になり入院です。「家も没落し、自分も肺を病んでしまう。なんでこんな不幸が重なるんだ」と嘆いたものです。

栄光学園で優秀な成績を収めた兄の影響もあって私も入学を許されました。すばらしい校風の栄光で頑張るつもりでしたが中学1年で落第。これは私の努力不足によるものですが本当に悪いことが続いたものです。

しかし辛(つら)いことはこれだけでは終わりませんでした。祖父から続いた家業が破綻してしまったのです。背もたれの大きなロッキングチェアに深く座りマントルピースの火を見ながらパイプを嗜(たしな)んでいた父親の姿はもうありません。それまで「旦那さん、旦那さん」と擦り寄ってきた人たちは、くもの子を散らすように去っていきました。そして自分の身にも試練が襲ってきたのでした。

[日経産業新聞2016年3月16日付]

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