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ケロッグの授業で、いまでもすごく役立っているのは、経営者としてのコミュニケーションの取り方を学ぶManagerial Communicationという授業です。授業の初回に教授が力を込めて繰り返した「Truth is not truth.(真実は真実ではない)」という言葉は、卒業して20年近くたった今でも鮮明に記憶しています。

これは要するに、日本的な「男は黙って」という美学は少なくともグローバルビジネスの世界においては通用しない、経営者は自分自身のことも含めて周囲や外に向けてきちんと情報発信していくことが非常に重要、それがひいては会社のためにもなる、という教えです。もちろん人格を磨くのは大切ですが、いくら磨いても誰にもわかってもらえなければ、ビジネス的には何の意味もありません。

日本の企業や経営者はこの部分が弱いと思います。日本人にとっては、ある日誰かが気付いてくれるのを信じて陰で徳を積む陰徳の思想が理想かもしれませんが、それは経営者としては不適格だと私は思います。陰徳も結構だが、徳を表に出して、「弊社はこんな素晴らしいことをしているんですよ」と外に情報発信するのが、経営者としてのタスクです。

私は、経営は総合芸術だと思っています。サイエンスだけでもだめだしアートだけでもだめ。総合的な力が必要です。健康に例えれば、いくらサプリメントを飲んでも健康は維持できません。十分や睡眠や適度な運動が必要です。経営も同じ。いくら素晴らしい経営技術があっても、それだけではよい経営者にはなれない。人間性も大切です。そうした経営の総合力を身につける機会を与えてくれるのがビジネススクールだと私は思います。もちろん、ビジネススクールに行ったからといって成功が保証されるわけではありませんが、その人のキャリアにプラスに働くことは間違いありません。

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