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柳井さんから繰り出される矢継ぎ早の質問にうまく答えられず、言葉に詰まってしまい、しどろもどろになりながらの説明しかできませんでした。この日、ジェイアイエヌの株価は41円にまで下がっていましたが、それに関しても、はっきりとこう言われました。

「この株価は御社には将来性がないと思われている、ということです」

大リーガーの強打を頭にガツンとぶつけられたくらいの衝撃を受けました。

この面談は、自分にとっても、会社にとっても大きな転機となりました。「志のない会社は、継続的に成長できない」という柳井さんの言葉が胸に突き刺さり、しばらく考え込みました。

ビジョンをつくったら、「打ち手」が見えた

それまでは、その場しのぎの商売をしていたように思います。会社というのは明確なビジョンがなければ成長できないのだと痛感したのも、この時。

柳井さんの言葉を受け、2009年1月、経営陣を集めて熱海で合宿をしました。様々なブランドや企業の理念を参考にしながら、自分たちはどのような会社でありたいのか、を改めて議論することにしたのです。そうしてつくったのが、「メガネをかけるすべての人に、よく見える×よく魅せるメガネを、史上最低・最適価格で、新機能・新デザインを継続的に提供する」というビジョンでした。

ビジョンを掲げると、次の打ち手も明確に見えてきました。それまでは「CMを打つ」「価格帯を変える」などのアイデアは浮かんでも、それらを自信を持って実行することができていなかったように思います。ビジョンを定めたら、たとえ失敗しても納得がいくと思えるようになりました。確固たる背骨が打ち立てられた感じです。

それからは株価に一喜一憂することもなくなりました。先行投資をすれば、どうしても目先の業績は悪くなりますが、それもあまり気にならなくなりました。将来を見据えた投資だという確信があれば、投資家に不安視されても、決断の背景にある理由を自信を持って言える。

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