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 あなたの配偶者が3億円の宝くじにあたったとします。
 話し合いの結果、2億円は貯金したままで、あと1億円は2人で好きに使うことになりました。さてあなたは……
 
 (1)とりあえず仕事をやめる
 (2)仕事は今まで通り続ける
 

この質問に対して(1)を選んだ人は、お金のために働いている人です。逆に言えば、お金さえあれば働きたくない、という人。あるいは、働くことは嫌ではないけれど、やりたい仕事をしていない人ではないでしょうか。

では(2)を選んだ人は?

(2)を選んだ人だからといって、お金のために働いていないわけではありませんし、好きなことをしているとも限りません。年間500万円ずつ(年収にすれば600万円ほどでしょうか)使ったとしても40年間は使える2億円というお金ですが、安心できるかといえばそうではありません。また、宝くじにあたるとお金遣いが荒くなるといいます。そういうことを冷静に考えると、仕事を辞めない、という選択肢を取る人は安全志向なだけかもしれません。

また宝くじにあたったのは配偶者なので、自分の意志だけで自由に使うことはできない、という考えもできるかもしれません(そういう意味も含めて『配偶者』という問いかけをしています)。

お金を手に入れたら働かない、という選択をしても、お金がなくなればまた働かなくてはいけません。ということは、働く=お金を得るため、なのでしょうか。となれば出世とはよりたくさんのお金を得るためにすることなのでしょうか

お金を手に入れることと出世することは厳密には相関しない

お金を稼ぐために働く。

働く目的はそうじゃない、と言い切れる人はどれくらいいるのでしょう。この連載の第1回から第4回にかけて、2010年以降の日本では、業界によって稼げる年収に2倍以上の差が出ている、という分析を示しました。だから、お金を稼ぐために働くのであれば、稼げる業界を選んで、その会社の中で上の役職への出世を目指すことが望ましいわけです。

しかしある調査によれば、出世したくない/しなくてもよいという人の割合はとても高いのです。30才未満の男性で約40%、女性だと60%を超える人たちが出世を望んでいません。その理由の大半は、責任を持ちたくない、とか、プライベートの生活を大切にしたい、というものだそうです(『ワーク・ライフ・バランスに関するアンケート, 2008』連合総合生活開発研究所)。

では、会社の中で出世せずにお金を稼ぐ方法があるのでしょうか

答えはYES。出世すると給与という名目でのお金は増えますが、お金を増やすための方法は出世だけではありません。

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