「ハワイに住むなら経営者になるしかない」
本田直之・レバレッジコンサルティング代表に聞く(上)
そこからは、仕事をしながらGMATなどの勉強をし、お金もため、予定通り3年で会社を辞めて、サンダーバードに入学しました。サンダーバードは国際経営に特化したビジネススクールで、留学生比率が非常に高い。世界中に散らばる卒業生のネットワークも強固。ハワイでビジネスをやろうと考えていた私には、ぴったりでした。
入学後しばらくは、課題をこなすのに四苦八苦。その時の経験から、後のベストセラーが生まれた。
米国には、ビジネススクールに入る留学生のため、英語での議論の仕方や課題の取り組み方などを学ぶ、「プレMBA」コースを設けている学校があります。お世辞にも英語は得意とは言えなかったので、サンダーバードに入る前の半年間、プレMBAに通いました。
しかしそれでも、サンダーバードの最初の半年間は大変な思いをしました。特にきつかったのは、毎日出される大量の課題(リーディング・アサインメント)。普通にやったらとても無理なので、どうすればできるか、必死に考えながら課題に取り組みました。この時の経験を基に、効率的で実践的な読書法をまとめたのが、著書の一つ『レバレッジリーディング』です。
課題を通じて、論理的に物事を考え、論理的に話を組み立てる力も付きました。授業では、チームを作ってプロジェクトに取り組む課題が出されますが、チームを組む相手は様々な国の人たち。日本人相手なら簡単にわかってもらえるようなことも、外国人だと、きちんとロジカルに説明しないと理解してもらえません。いかにロジカルに考え、ロジカルに説明するか。そのトレーニングを日々、繰り返していたようなものです。サンダーバードに行く前は正直、ロジカルに物事を考えるなどという発想はありませんでした。