「秘書はiPhone」ハワイに5カ月いても経営者はできる
本田直之・レバレッジコンサルティング代表に聞く(下)
経営者になるという目的は達成できましたが、こんなに自由に暮らしながら経営者が務まるなど、インターネットのなかった大学時代は、想像もしませんでした。最近は、1年のうち、ハワイに5カ月、日本に5カ月、残り2カ月はヨーロッパというペースです。食べ歩きが趣味なので、ヨーロッパでは主に食べ歩いています。
現在は、本業以外に、明治大学と上智大学で教えるほか、ワインスクールで講座も持つ。
大学の授業では、「自由に生きよ」みたいな話をしています。新卒で会社に入るだけが人生じゃない。いろいろな選択肢があるのだから、その中から自分にあったキャリアを見つけたらいいんじゃないかと言っています。そのためには、いろいろな経験をしてみることが必要です。幼稚園の子供に将来何になりたいかと聞けば、お医者さんとかおまわりさんとは答えるかもしれませんが、グーグルを超える会社を作りたいとはけっして言いません。人は自分が見たものしか選択肢になり得ないからです。大学生も一緒。だから、学生には、私のような変な生き方をしている人がいるということも知っておいた方がいいという思いで、話をしています。
学生からよく、MBAについての質問を受けます。そんな時は、留学はしたほうがいいと思うけど、MBAを目指すことが正しい選択肢かどうかはわからないと答えています。
ビジネススクールの授業は所詮、過去に起きたことの分析でしかありません。それでも大企業の経営には役立つかもしれませんが、時代の最先端のやり方を取り入れて立ち上がっていくベンチャー企業の経営には正直、あまり役に立たないと今は思っています。私自身、今行くなら、ビジネススクールではなく、テクノロジー関係や何かクリエーティブなことを学べる学校に行くと思います。そうした選択肢も踏まえ、若い人たちには、自分のキャリアを選んでほしいと願っています。
インタビュー/構成 猪瀬聖(ライター)