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「JTからは総勢200人弱が海外に行っています。ジュネーブのみならず、海外の生産・販売拠点にも赴任していますが、5分の2は即戦力として仕事に従事しています。しかし、この即戦力の人間はJT本社からの押し付けではなく、ちゃんとJTIの入社試験を受けて、向こうのお眼鏡にかなった人が行きます。JT出身の日本人だからといって特別扱いはしません。残りの5分の3は研修生などトレーニーです。ですから2年分の人件費や滞在費はJT側が持ち、試練の場を与えて鍛え上げます。トレーニーが120人だとすると、10年やると、600人になるわけです」

 ――幹部候補生のグローバル人材教育もやっているのですか。

「JTとJTIから30歳前後の幹部候補生を選抜して集合研修もやっています。JTから10人、JTIから15人。JTIの人財は国際色豊かで多様ですから、日本人には非常にいい経験になります。スイスのビジネススクール『IMD(経営開発国際研究所)』などの協力も得てプログラムを作成し、効果的な研修をやったりもします。ミドルマネジメントクラスの幹部人財のグローバル研修も強化しています。仕事はできるけど、国内でしか経験のないミドルマネジメントには、1年間仕事しなくて英語漬けになって様々な体験をしてこい、というようなこともやりました」

――経営幹部層の育成はどうしていますか。

「JTでは社長と副社長の2人が中心になって経営人財成長支援会議というのを定期的に開いています。各役員には誰を後継者にしたいか推薦してもらい、さらにその次の後継者も推してもらいます。また、あなたの後継者ではないが、会社にとって役員になったらいいんじゃないかという人の名前も挙げてもらいます。そうすると結構みんなの意見は合うんですよ、同じ人に白羽の矢がたったりしますね」

 ――JTは2013年、採用時から幹部への昇進が約束される国家公務員の「キャリア制度」のような人事採用システムを復活させました。この狙いは何ですか。

「私も当時の専売公社に上級職として採用されました。キャリア制度には良い面と悪い面があると思います。入社して4年で90人の部下を持つ製造現場に配属になりましたが、色々課題のある職場で正直大変な苦労をしました。つらい日々でしたが、20歳代から常に意思決定し、リーダーシップを発揮するため決断力が養われる。この経験が今に生きています」

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