コンビニ三国志 「ユニクロ兄弟」がライバルに
ファミリーマート社長 沢田貴司氏

9月1日、コンビニエンスストア3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスが経営統合してユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)が発足、コンビニ事業会社ファミリーマートの社長に沢田貴司氏(59)が就任した。セブンイレブン、ローソンと競う「コンビニ三国志」時代が幕を切った。実は沢田氏は伊藤忠商事時代にセブンイレブンの『米国本家』買収を手掛けたほか、ファーストリテイリングでは副社長として「ユニクロ旋風」を仕掛けた流通業界の風雲児だ。しかも「ユニクロ兄弟」とも呼ばれた盟友、ファーストリテイリング元社長でローソンの会長兼最高経営責任者(CEO)、玉塚元一氏とはライバル関係になる。沢田氏のキャリアを振り返りながら、抱負などを聞いた。
――沢田さんはセブン―イレブン・ジャパンと協力したり、ローソンの玉塚さんとも一緒に仕事をするなど盟友関係だったわけですが、両社ともライバル関係になりますね。今後の目標はセブンを抜くことですか。

沢田氏
「確かにセブンイレブンを抜くというのは1つの目標ですが、それだけではダメです。(今回の統合後に)我々のコンビニエンスストアは1万8000店舗となり、1日に何と1800万人ものお客さんが来客される。よりフレンドリーに便利に。それに新たな付加価値をプラスして、ファミリーマートを『世界的に存在感のあるコンビニ』に成長させたいと考えています」
「玉塚さんとはたまたまライバル関係みたいになりますが、切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっていきたいと思います」
――沢田さんはもともと伊藤忠の化学部門で営業実績を上げていた。しかし、「セブンイレブン」を展開する米サウスランドの買収を担当した後、突如として転職します。なぜですか。
「通常、商社マンは自分の畑からなかなか異動しませんが、ある日突然、サウスランドの買収をお前やれと、当時の室伏稔社長率いる経営中枢の幹部から声がかかった。当時、私は営業で跳びはねていたので多少目立ってはいましたが、何で白羽の矢が立ったのか、いまだに分かりません」