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――リバイバルプランの実施にあたり、何を変え、何を変えなかったのですか。

「驚かれるかもしれませんが、私は変化が嫌いなのです。変えなければならないことは、最小限に抑えたいのです。よくなると期待するから変えるのであって、変えることが目的になってはいけません。私は日産のままでいたかった。ただし、『成功する日産』にしたかったのです」

「企業の文化は尊重しなければなりません。2つ例をあげましょう。まず、若い世代に対する明らかな差別は問題ですが、日本企業特有の『年功序列』は変えなかったのです。2番目は部品会社など『ケイレツ』のシステムについてです。これも日本の自動車業界の独自スタイルですが、私は『ケイレツ』のシステム自体は否定はしていないのです。問題がある部品会社との関係について、実績や必要に応じて変えただけです。何かを変えるとき、決める人は変化を嫌う人がいいですよ。慎重に動きますから」

情熱を持ち続けられる理由

――困難な状況が続くなか、なぜゴーンさんは情熱を持っていられるのでしょうか。

「哲学的な質問ですね。情熱の源がどこにあるかは、皆さんにも聞きたい。私は、学ぶことが大好きなのです。多くの人からすでに実績があるでしょう、といわれますが、私は毎日学ぶことができるから意欲を持ち続けられるのです。どうやって解決策を見いだそうか、どうしたら従業員が力を合わせられるのか、考え続けられるのです。今、自動車分野では人工知能(AI)による自動運転やコネクテッドカー(つながる車)、EV(電気自動車)などの低排出ガス車など様々な革新的な技術が出ています。学ぶ熱意は止まることがありません」

「日産に来たとき、私は仏ルノーのナンバー2でした。『子供も家もあるし、パリも快適なのに、破綻寸前の日産になぜ行くのか』といわれました。もし失敗していたら、キャリアに大きな傷がつきます。しかし、私はそのとき『日本に行けば色々と学べる!』と思ったのです。日本の自動車だけでなく言語や文化……。様々なことが学べると思いました。『もう新しいことを学ばなくてもいい』と思うときは生涯を終えるときです」

――今回、三菱自動車も加え、3社のアライアンスを作りました。ゴーンさんのビジョンを教えてください。

「自動車業界というのは競争が厳しいところです。製品力と技術力を育てるためには、投資し続けなければならない。しかも、自動運転の開発、安全性の検証などすべてに対応するには大きな投資規模が必要になります。我々は年間に1兆4000億円の投資をしています。それは日産とルノーだけではなく、新たに提携した三菱自動車にとっても大きなメリットがあります」

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