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「全国で最も進学実績が伸びている女子校。数年内に桜蔭を抜く可能性もある」と、各予備校が高く評価し、難易度はうなぎ登りだ。この豊島岡躍進の立役者が二木謙一理事長だ。

理事長、大河ドラマ14作の時代考証を担当

二木氏はユニークなキャリアを持つ。国学院大学で長く教授を務め、文学部長、図書館長、理事など組織運営にも携わった。一方で戦国時代を舞台にした大河ドラマ14作品の時代考証を担当し、プロデューサー的な役割も担った。

豊島岡女子学園 理事長 二木謙一氏

豊島岡女子学園 理事長 二木謙一氏

歴史家として一生をささげようと決めていた二木氏が豊島岡の校長に転進したのは62歳のとき。同校の理事長で校長だった父親の友吉氏が突然、脳梗塞で倒れたためだった。友吉氏は老朽化していた校舎を16年間かけて次々と建て替え、進学実績も上げてきた。2003年、失語症に陥った父親の涙にほだされ、校長を引き継いだ。

すでに60の坂を越え、中高での教師の経験もない二木氏。「教員は毎年同じことを繰り返し、よほどの動機付けがなければ変わろうとしない。どうすれば改革できるのかとじっくり考えたが、これまでの大学とテレビで培った経験が実った」という。

まず第一に「優れた組織・人材づくり」、そして「建学の精神を生かした特長づくり」、最後が教師と生徒を突き動かす「喜びと感動づくり」の3つの柱が必要と考えた。

大学型の組織づくり 26の主任職を新設

組織づくりでは大学の経験を生かした。中高の組織は校長と教頭の下には学年主任ぐらいしかいなかった。そこに教務部学年主任会議・教科主任会議と総合企画部主任会議を新設、メディア管理委員会や情報システム委員会などを設置した。26の主任職をもうけ、責任ある役職をつくった。30歳代の若手も抜てきし、企画・実行力のあるリーダーとして役職手当も出した。各リーダーの下で、70人あまりの教師は自己点検、シラバス(授業計画書)作成、業績報告、公開授業などを実施する。

とにかく教師力の向上にまい進した。大学のように授業アンケートを実施。生徒に教員の授業について「内容が分かりやすいか、熱意はあるか、声の大きさはどうか」などを細かく問うた。

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