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いまも2カ月に1度は灘の仲間と食事会を開く。同級生にはフジテレビの元ニュースキャスターから神奈川県知事に転身した黒岩祐治氏や、副業を認めるなど独自の経営で知られるロート製薬会長の山田邦雄氏など個性的なリーダーが多い。

「自由奔放な学校です。高3のころ、授業を抜け出して喫茶店でたむろしていても、そばの席にいた教師は見て見ぬふりをしてくれた」。うどんすきの有名チェーン、美々卯(大阪市)の薩摩和男社長はこう話す。同氏は灘から東大文科一類に進学、その後、修業期間を経て家業を継いだ。この10月、灘の同窓会長に就任した。

灘のいずれのOBに話を聞いても、自由で個性的な「やんちゃな集団」という話ばかりが聞こえてくる。有名進学校のイメージとはかけ離れているが、実は彼らが猛烈な受験生に変身するある空間があるのだ。

職員室前に異常に広い廊下

「ほら、職員室の前の廊下が異常に広いでしょ。テーブルや椅子もたくさん置いているし、ちょっと他の高校と違うと思いませんか」。和田校長は灘の職員室の前に案内してくれたが、確かに廊下とは思えぬ広い空間がある。

灘中学・高校の職員室前の広すぎる廊下にはテーブルやいすもある。中央は和田校長

灘中学・高校の職員室前の広すぎる廊下にはテーブルやいすもある。中央は和田校長

「ここが午後3時以降、ワイガヤ空間に変わります」。高2の夏以降、部活など終了し、灘高生は受験態勢に入る。すると、授業の終了後、この職員室前の広い廊下に三々五々集まり、同級生たち同士の「勉強の教え合い」が始まるのだ。自分たちで分からなければ、担当教師に聞く。「とにかくうるさい」(和田校長)。関西弁がこだまするワイガヤ状態が退校時間の午後6時まで続く。

「彼らはある意味ライバルですが、口に出して、教えることで自身の頭も整理され、様々な難問も解けるようになる。教えることが結局、自分にも相手にもプラスになることを知っている」と和田校長は説明する。

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