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間の取り方も絶妙。話の先を急がず、頭にメッセージが定着するような間合いで進行され、「やっぱりプロだな~」と率直に思いました。

ただ、ショッピングはビジネスですから、視聴者に買っていただく、消費行動につながらないと成功と言えません。そこの視点というのが、報道を伝えるという「伝え方」とは微妙に違う部分です。

番組では、通常の通販ショッピングと同じように、視聴者からの注文のかかり具合を円グラフで示して古舘さんにリアルタイムで見ていただきました。ショッピングで「伝わった」と言えるのは、お客さんからの注文があった時だからです。古舘さんも一瞬一瞬が勝負のショッピングというものがどういうものか感じられたと思います。

冒頭で言いましたが、見ている人は「古舘さんがどうレイコップを説明するか」という点に100パーセント、頭がいってしまい、その時点で通販という番組は消えてしまっているのです。

視聴者の関心をいかにひきつけるか

「私は商品を紹介するために生きてきた人間です」とコメンテーターなどの依頼は断っている

「私は商品を紹介するために生きてきた人間です」とコメンテーターなどの依頼は断っている

これは私の経験でも思い当たることがあります。番組で「笑い」を取り入れてプレゼンしてみようとしたことがあります。絶対うまくいきませんでした。笑いの方に視点が向いてしまい、商品を売ることが目的でなくなっているのです。

そうした事情があって、古舘さんの実演販売も80%という結果になったのだと思います。値段を「1万9980円です」といっても、ジャパネットのMCが言えば、モノを売るMCだから、視聴者も「ああ、ここまで安くなっているのか」と素直に受け取るわけです。ところが、古舘さんが「8000円引きます」「1万9980円です!」といっても、その時に古舘さんがどういう表情で言うだろうか、どんな言い方をするだろうか、という点に視聴者の関心がいってしまって金額に関心が向いていないのです。

視聴者は買おうという意思を持っていないのだから売れない。「伝える」ということが一筋縄でいかないところです。

買う目的でみているのではなく、視聴者は古舘さんのプレゼンそのものを見ている。通販番組が「フルタチさん」の番組の一コマになってしまっては商品が売れないのも道理です。番組の中で古舘さんが「もう一度挑戦する」とおっしゃられていました。本当に実現するかどうかは分かりませんが、来ていただいたら本当に大歓迎で、私からも「ぜひ来てください」とお伝えしたいですね。

私も報道番組にチャレンジしたり、番組のコメンテーターとして発言したりするといった企画のお申し出をたまに受けることがあります。ほとんどお断りしています。

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