変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

このグラフは、戦後から高度成長期を経て広まった、日本での一般的な賃金(給与)と貢献度の関係を示しています。そしてこのグラフは3つの期間で構成されています。

第一の期間は、入社からしばらくの間。新卒で仕事はできないかもしれないけれど、給与はそれなりに払いますよ、という期間です。

第二の期間は、逆に貢献度が賃金カーブを上回っている期間です。仕事はどんどん覚えて会社に貢献してくれるのですが、給与は増え方はゆっくりです。

そして第三の期間では、再び賃金カーブが貢献度を上回ります。今の貢献ではなく、過去の貢献に対して高い給与を支払う構造です。

2000年台初頭くらいまでは多くの会社で定年まで給与が増え続けていたのもこういう考え方が背景にあったためでした。

レア人材の顕在化が結果平等を打ち消していく

しかし、現在多くの会社で、このような賃金カーブが消えています。

第4回「50代後半で年収が130万円も下がる業界はどこだ?」でも示したように、業界によっては年齢によって給与が大きく下がるようになりました。また、そもそも生活できるだけの給与を支払おうとしない業界も増えてきました。

これらは給与を下げる方向での変化なのですが、実は増やす方向の変化も起きています。

その原因がレア人材の顕在化です。

典型的なレア人材は、専門性、実績の2つの要素で定義することができます。

現在であれば、人工知能開発ができる専門性を持った人材はとても希少です。そしてその人材が、実際に機能する人工知能開発を行った実績があるとすれば、さらに希少性が増します。

希少性は技術領域に限りません。たとえば買収・合併(M&A)は当然の経営手段になっていますが、難しいM&Aを実現し、かつその後の成長まで達成した実績となればこちらも極めてレアです。起業から新規株式公開(IPO)までを実現していたり、あるいは大規模倒産に巻き込まれながらも清算を完了させたりした経験もとてもレアなものでしょう。

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