「羽目をはずして怒られた」 伊勢谷友介氏の芸大時代
俳優・伊勢谷友介氏が語る(上)
そうして芸大に無事入ったのですが、でも、あとでよくよく考えたら、芸大はファッションデザイナーを目指す人が行く大学じゃなかった。最初から、入る大学を間違えていましたね(笑)。
芸大時代は、羽目をはずして遊んだこともあった。
授業は、与えられた課題をこなさないと卒業できないので課題だけはきちんとやりましたが、成績はよくありませんでした。授業に出てもあまり話を聞いていなかったので、授業の印象も先生の印象もほとんど残っていません。

「ツーリングによく行った。芸大生は自己表現好きがそろっているので、隊列で走るのは苦手」と笑う
唯一、よく覚えているのは、現代アートの日比野克彦先生ですね。自身で精力的に作品を発表しながら、大学で教えてもいました。私たち学生と朝まで遊んでいても、その日ちゃんと仕事をこなすのを見て、仕事に対するモチベーションの高さがすごいなと、いつも尊敬していました。
遊ぶほうは、いろいろと記憶に残っています。たまたま、私の学年は私も含めてやんちゃが多く、いろいろと羽目をはずして、よく学校から怒られていました。
ツーリングにもよく行きました。ふつう、ツーリングは縦長の隊列をつくり、その列を崩さないように走りますが、芸大生は自己表現好きがそろっているので、隊列で走るのは苦手でした。私たちは、カーアクション映画「キャノンボール」をまねてキャノンボール方式と呼んでいましたが、みんな自由なルートを選んで走って、楽しんでいました。ツーリングで、遠くまでアート作品を見に行ったこともよくありました。