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法政大学の「ボアソナード・タワー」 (東京・市ケ谷)

「法政も小学校をつくったら」。他大学の学長からこう促されたが、田中総長は首を横に振った。将来の学生の囲い込み策のため、早稲田が系属校に小学校を設けたりしたが、法政は首都圏の3付属校体制を現状のまま維持する考えだ。田中総長は「今は拡大路線ではなく、教育の質を高める時だ」としており、まさに「派手な」戦略はとっていない。

では少子化が進む中、なぜ法政の志願者は3年連続で大幅増になったのか。進学塾など関係者は「法政は国際系の学部が充実しているし、15学部と医学系学部以外の学部がそろっている。入試改革でも先行し、就職の実績も上がっている。そんな中で景気が回復してきて、もう1校を受験できるようになったときに法政が選ばれ始めた。プラスワンが法政になった」という。法政に抜かれた早稲田大学は「やはり女性総長の効果が大きいのではないか」(広報課)と指摘する。

法政志望、女子校で1人

14年に就任した田中総長は東京六大学初の女性学長として話題になったが、就任前からメディアの露出が多く、スター教授として知られた。法政の教授陣には東京大学出身などが多いが、「法政一筋47年」の生え抜きでもある。「誰よりも法政をよく知り、その変化を見てきた」という。

田中総長は神奈川県の清泉女学院高校出身。当時は「法政志望は私1人だった」という。学生運動がまだ盛んだった頃、特に法政は激しかった。物書きになりたかった田中総長は「好きな文学者が法政の先生だったので入学したが、女子学生は10人に1人、友達を探すのも大変だった」という。

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