思わず笑顔になる面接、グーグルの新卒採用
人事部プログラムリードの小山弥生氏に聞く
――行き過ぎた格好の学生などはいないのでしょうか。

「学生自身が伝えたいアピール方法だと思うので、問題ありません。以前、グーグルのロゴカラーのちょうネクタイやセーターできた学生がいましたが、『どうして選んだの』と聞けば、その人の個性や考え方が見える。どんなポイントでもそこから向き合ってみてみたいのです」
――グーグル独自の試験として、「エアポートテスト」というものがありますが。
「エアポートテストは、いわゆるくぐりぬけなければならないテストではなく、面接の際に面接官が用いる考え方のことです。2人で出張に行き、飛行機が欠航になり、24時間2人で空港に過ごせますか、と尋ねたときに、イエスかノーか、またそれはなぜなのかを深くたずねていきます。『グーグリネス』に関する問いともいえます」
――新卒は何人予定していますか。
「公表していませんが、『積極採用』します。ただし、新卒の募集としては一部、応募を締め切ったものもあります」
――筆記試験もありますか。
「筆記試験よりも、対面の時間を重視した選考プロセスとなっています。現段階の新卒採用では、性格診断テストや基礎学力を計るためのテスト等は実施していません。エンジニアの場合、コーディング(プログラムを書くこと)のクイズがあります」
「社員」ではなく「オーナー」の気持ちで
――学生はどんな対策をしたら入れるのでしょうか。
「確かに会社説明会などで『どうすれば受かりますか』とよく聞かれる。逆にそこに答えがあったらつまらないですよね。みんな違って、みんないいと思うから、人事の仕事は面白い。学生には『あえて答えがないのがいいんじゃないですか』と逆に問いたいですね」
――グーグルの人事のプロがオッと思う学生の共通項は何ですか。
「新卒、キャリア採用に限らず、魅力を感じる人に共通するのは、誠実、謙虚、素直だということですね。様々な状況や場面において自分にも他人にも常に、誠実で素直でいることは簡単ではない。これをつきつめている人に出会えると、採用担当としてうれしいですね」
「あとはオーナーシップをもって仕事できる人。グーグルでは『社員』でなく『オーナー』になってほしいと思っている。新卒でも10年目でも。自分がオーナーならどういう決断をして仕事をするか、面接で掘り下げると見えてくるので、本当に大事なポイントだと思います」
(聞き手は松本千恵、夏目祐介)