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LIXILグループ社長兼CEOの瀬戸欣哉氏(上)

LIXILグループ社長兼CEOの瀬戸欣哉氏
世界に8万人の従業員を擁するLIXIL(リクシル)グループ社長兼最高経営責任者(CEO)の瀬戸欣哉氏。ゼネラル・エレクトリック(GE)出身の「プロ経営者」藤森義明氏からバトンを受けて1年が経つ。工具通販会社のMonotaROなどのベンチャー企業11社を起こした「連続起業家」は、その経験を巨大組織の経営にどう生かしているのか聞いた。
(下)「正解率60%ならやる」 LIXIL瀬戸社長の即決法 >>
誰がやっても大変な仕事
――瀬戸社長は、「プロ経営者」として注目された藤森氏の後任ということで、その手腕に注目が集まっています。まず藤森さんが進めた改革についてはどのように評価していますか。
「藤森さんに対する評価は、私自身がある程度経営をやってみないとお話しできないと思います。ただ、藤森さんが大変難しい仕事をしてきたことは事実で、個性が異なる5社の統合に加え、海外の企業も買収し、とにかく非常にチャレンジングに前進していった。そして大変難しい仕事であったがゆえに、必ずしも成功とは言えない部分も出た。会社にとって短期間にそれらを全部消化するのは難しかった面も現実としてはあったと思います。ただ、これは藤森さんが、とかプロ経営者が、ということではなく、誰がやっても大変だったと思います」
――ベンチャーの起業と経営から、巨大企業の舵取りへ。かなりギャップがあったのではないですか。
「従業員の数だけとっても800人から8万人へと一気に100倍になりました。小さな船はスピードも方向もパッパッと変えられますが、大きな船は、みんなが曲がる方向を分かっていないと、急に曲がった時に倒れてしまうリスクがあります。でもそれは、必ずしも組織が大きいからではない。アマゾンやグーグルは巨大組織ですが、スピーディーにうまくやっている。一番の違いは、社内でのコミュニケーションだと思います」