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ただ、高校入試にはスポーツ・文化分野合わせて50名の推薦枠がある。野球部以外にもテニス、サッカー、ラグビーなど全国クラスの生徒が集まる。珠算の達人なども推薦枠の対象となる。「成績基準を設け、小論文・面接の結果も重視して選抜している」という。

男子校だった早稲田実業は、02年に男女共学になった

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「文武」の隔てなく

全国の有名校には進学組とスポーツ選抜組を分けているケースもあるが、「うちは色分けしていない。『文武分道』ではなく、あくまで『文武両道』ですから」(藁谷校長)という。ただ、授業についていけない生徒がいることも事実。このため成績下位の生徒には補習授業などを実施、心理的なケアも行い、ノートの取り方などの初歩から指導している。基礎学力の向上は大きな課題だ。

質実剛健が校風の早実。スマートフォンは持ち込み禁止で、服装の乱れ、茶パツはもちろん長髪にも厳しい。ただ「スマホをどう扱うのか、生徒たちに今考えてほしいと言っているところ」という。

藁谷校長は早大教育学部の教授を兼任しており、平日に早実に来るのは週2回と限られている。夏になると、400人あまりの高校3年生の生徒一人ひとりと校長面談を実施する。進路相談が主な目的で、1人の持ち時間は4分。「成績を見ながら話を聞きますが、スポーツや文化面ですごい実績を上げている生徒は学業の成績も優秀だと改めて感じる」と話す。

様変わりした早実。初等部、中等部からの男女の内進生、高校からの一般入試生にスポーツ・文化推薦枠の生徒、海外からの帰国子女枠もあれば、地元の国分寺市、小金井市の地域枠まである。様々な人材が集まる、かつての早実以上に多様性のある学校になった。「どの生徒も特別扱いしない。清宮君も普通に通ってくるし、みんなと同じ。男女共学になったといっても女子はすごく元気だし、質実剛健な校風は変わっていない」と藁谷校長。確かに午後3時を回ると、生徒たちは一斉に部活に繰り出す。男女を問わず、しっかりとした体格の生徒もおり、グラウンドや体育館から元気のいい声がとどろく。早実は今も昔も「マッチョな学校」だ。

(代慶達也)

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