「1日インターン」に異議 最低1カ月は必要なわけ
ワークスアプリケーションズの牧野CEO

ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO
ワークスアプリケーションズといえば、インターンシップ――。企業の新卒採用担当者や人材会社などは、そのユニークなシステムに注目してきた。採用コンサルタントの谷出正直氏によると、6月1日に解禁された2019年卒向けのインターンシップは、実施社数が前年比1.6倍に拡大した。17年から「1日インターン」も解禁され、その裾野はますます広がりそうだ。ただ、ワークスの牧野正幸最高経営責任者(CEO)は「目的を考えれば、1カ月でも短い」と話す。02年からインターンを実施してきた牧野氏は、今の採用をどう見ているのか。
インターンシップ、目的は2つ
この数年、新卒採用におけるインターンシップの役割が注目されています。そもそも、インターンの目的はなんでしょうか。私は、学生がその経験から気づきを得て、仕事に対する能力を発掘する機会であり、人材のミスマッチを防ぐことだと考えています。
では、その目的を遂げるのに何日必要でしょうか。当社では、1カ月のインターンを実施していますが、ギリギリの短さだと思っています。実際、海外でインターンといえば半年や1年です。私も、短くても4、5カ月間はやりたいのが本音です。今の日本でインターンと呼んでいるものは、本当のインターンではありません。会社説明会もしくは「仕事体験ゲーム」にすぎません。それでは意味がないのです。
向き不向き、学生は判断できない
学生にとって、働くことをリアルにイメージするのは難しいです。彼らは思い込みで職種や業種の向き不向きを考えがちです。例えば、営業やコンサルタントは誤解が多い仕事です。「プレゼンテーションがうまくて、話もうまい人」が営業向きと思っている学生が非常に多い。しかし、実際には人の話を聞くのが上手な人間こそ、売れる営業です。