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例年、志望する学生を取材すると「三菱商事の会社説明会は、いつも満席で参加できなかった」という声を耳にする。さらに、「卒業生に先輩がいないからOB・OG訪問ができない」と嘆く声もあり、三菱商事としても「機会の不平等は問題だ」と考えていたという。

そこで、2年ほど前から三菱商事は社員と会える「社員紹介センター」を設置した。18年卒では約1000人の社員がこのしくみに登録し、志望する学生と業務内容や日々の生活に関してじっくりと話を聞いたという。このしくみでは、出身大学は関係がないという。「まだ確定はしていないが、19年卒でもこのしくみを導入する予定」と中川氏は話す。

19年卒の経団連加盟企業が、広報活動を始めるのは3月から。それ以前に、会社や業界を知りたいという学生に向けて、三菱商事では商社業界の仕事内容を学ぶためのキャリア教育を実施している。ここでも社員に会う機会がありそうだ。

5位にランクインした外資系コンサルティング大手のアクセンチュアは、「働き方改革」で話題になったことを受けて「ワークライフバランスについて知りたい」(上智大3年)といった声があがった。

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 アクセンチュア人事部の新卒採用チームリーダーの長谷川明里氏にたずねたところ、「11月23日に新卒向けイベントを実施する。若手から中堅社員との座談会をはじめ、働き方改革の取り組みについて触れる予定なので、ぜひ実際の社員と話してほしい」という。また、アクセンチュアでは新卒採用のページに登録すると、OB・OG社員と少人数で会える機会も用意しているという。

SNSで突然「社員に会いたい」どうしますか

「敷居が高そう」と感じる学生が少なくなさそうだが、「積極的に会いたい」と思っている企業も多そうだ。しかし、当該企業に知り合いや先輩の少ない学生はどのようにして会うのだろうか。

学生を取材していると、ネットの普及にともない、OB・OG訪問のスタイルも変化してきている。最近、学生から「フェイスブックなどのSNSで第1志望の会社に勤務する社員を見つけた。OB・OG訪問のアポイントを依頼するメッセージを送ったら失礼なのか」という問いを聞くようになった。

OB・OG訪問といえば、大学の就職課で名簿を探し、先輩のいる企業に問い合わせるのが昔からあるスタイルだ。三菱商事も、「当社で働く社員の名簿を各出身大学に掲載しているので、活用してほしい」と話す。しかし、学生からはしばしば、「企業によっては連絡してもつながらず、すでに地方に異動していた」「勤務先の住所と代表の電話番号しかなかった」と、デジタルネーティブ世代からは「使い勝手に難あり」という声を聞く。

確かに、今の若者世代はSNSを通じた連絡に慣れているだろう。しかし、突然SNSで連絡を受けた社会人はどう考えるのか。実際に働く人にたずねてみると、「SNS上で共通の知り合いがいなければ無視する」(外資系ホテル勤務・20代)、「知り合いの紹介でなければ会わない。時間がいくらあっても足りないから」(大手商社勤務・30代)と否定的な意見が多かった。

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