京大中退して起業に専念 海城同期がドリコムに集う
内藤裕紀・ドリコム社長が語る(下)
それからの約5カ月間はもう死に物狂い。毎日、その日の勉強スケジュールを分刻みで立て、朝起きてから夜寝るまでずっと勉強。終わらなかったら、睡眠時間を削ってでも終わらせる。そんな生活を続けたら、入試までに5キロ痩せました。

「海城の生徒はみんな目線が上を向いていた。負けたくないという気持ちが最後の頑張りを支えた」と話す
大変だったのは、高校時代まったく勉強しなかったツケが回って、大学受験のための勉強の内容がさっぱり理解できなかったことです。そこで最初の2カ月間は、中学で勉強したことの復習に費やすことにしました。そして、その次の2カ月間を高校でやる内容の理解に当て、最後の1カ月間で京大の過去問を解くことに集中。こうしたやり方で勉強を続けたら、偏差値が毎月10ぐらいずつ上がり、12月ごろには京大の合格レベルに十分に達していました。
私のような落ちこぼれでも最終的に京大に合格できたのは、実は、高校の環境が大きいと思っています。海城の生徒はみんな、常に目線が上を向いていました。言い換えれば、目指す目標が高かった。そんな同級生に自分も負けたくないという気持ちが心のどこかにあり、それが最後の最後に頑張ることができた理由だと思います。普通の進学校に行っていたら、適当なところで妥協し、違う結果になっていたでしょう。その意味では、海城に感謝です。
京大在学中の2001年にドリコムを設立。その後、京大を中退して事業に専念し、06年、27歳の時に東証マザーズに上場した。
設立当初はブログサービスなどインターネットサービスの提供が中心でしたが、現在はスマートフォン向けのソーシャルゲーム事業が主力となり、おかげさまでオフィスがすぐに手狭になるほど、会社は急成長しています。
8月には、バンダイナムコエンターテインメントと共同で、スマートフォン対応のブラウザーゲームを運営する会社「BXD」を立ち上げました。実は、それにかかわった当社の新規事業担当が、海城時代の遊び仲間です。
彼は東大を出て大手外資系コンサルティング会社に就職し、ベンチャー企業を経て、5年前ぐらいにドリコムに加わりました。一緒に飲んだ時に次の人生どうしようかなと話していたので、だったらうちで一緒にやらないかと私が誘ったのです。