東大に一番近い学校になる日は? 駒東が伸びるわけ
駒場東邦中学・高校の平野勲校長に聞く
ユーグレナの出雲氏もOB

駒場東邦中学・高校の平野勲校長
駒東の1学年の定員は240人。17年の進学実績は東大51人、京都大学11人、東京工業大学17人、一橋大学9人で、国公立大の合格者は計143人だった。過去3年間の東大合格者の平均で見ると、4人に1人が東大に進学している計算だ。進学実績では、御三家の武蔵を上回り、開成や麻布に迫る勢いだ。なぜ伸びたのか。
平野校長は「先輩の力じゃないかな。うちのOBは何かと学校に戻ってきて、後輩の相談に乗るんです」という。

先輩・後輩のきずなを強める体育祭 =駒場東邦提供
実は駒東は、東大の駒場キャンパスから徒歩でわずか10分ほどの場所にある。東大に通う卒業生は、気軽に後輩たちの前に顔を出せる。「あの先輩が東大なら僕も」とその気になる生徒も少なくない。平野校長は「OBは社会人になってもよく学校に来ます。私の教え子の39回生なんか、毎年ここで同期会を開いています。その中には『ミドリムシ』で有名になった起業家の出雲充くん(ユーグレナ社長)もいます。彼は中高時代から目立っていました。新しいことに挑戦するのが好きで、かなりの凝り性でしたね」と話す。
先輩を活用したキャリア教育もやっている。出雲氏のほか、イトーヨーカ堂社長を務めた亀井淳氏、外務省の事務次官だった斎木昭隆氏など有名OBをその都度招いて講演してもらっている。
軟式野球で日大三高破る
駒東の校舎を歩いていると、母親などの保護者の姿が目立つ。秋には保護者とのバス旅行などで学校側との親睦を深めている。「部活とか、学校行事に携わっている保護者の方が多いです。教師と情報を共有し、打ち合わせもしているようです」と平野校長は説明する。確かに部活は盛んだ。9月には軟式高校野球の都の秋季大会で、日本大学第三高校を破り、優勝するなど有名進学校と思えぬ成果を上げている。バスケットやアーチェリー、陸上などでも強豪だ。高校化学グランプリや日本数学オリンピック本選出場でも常連校となっている。