年収も働き方もガラス張り ファストリの採用戦略
ファーストリテイリング人事部の山崎麻紀・採用担当部長

ファーストリテイリング人事部の山崎麻紀・採用担当部長
幹部候補生となる人材を求める新卒採用は、企業の将来の戦略を反映する。この意図が顕著に見えるのが、ユニクロを運営するファーストリテイリングだ。人事部・採用担当部長の山崎麻紀氏は「東京はグローバルの本社であり、世界を舞台にした商品企画や生産、流通などを考える力が必要」と話す。学生側に、世界を舞台に働く覚悟を求める一方、新人から執行役員までの給与表を公開したり、会社の実像を知ってもらう長期のインターンシップを実施したりと「透明性」の向上に取り組んでいる。山崎氏に狙いを聞いた。
会社選びの参考に、年収・待遇は原則公開
――採用サイトで新卒入社から執行役員クラスまでの年収(2014年9月~15年8月)を公開していますね。20代で最高1000万円の社員もいるようです。
「基本的に年功序列ではないので、20代でも30代でも、十分にチャンスがあります。しかし、実態はどうなのか、学生にとってわかりにくいという声がありました。そこで3年ほど前に新卒から執行役員まで、グレード(等級)ごとの平均年収と、それぞれの最高、最低年収をを公開したんです」
「給与に限らず、休暇や残業時間など、出せる人事情報は極力出すというのが大前提です。入社を希望する人も検討しやすくなりますよね。(実際の金額が分かるので)やはり興味を持たれるようで『参考になる』という声をもらっています」
――2018年卒の採用予定数は。
「国内ではユニクロ・ジーユーなど各ブランドをあわせたグループ全体で360人です。17年卒の採用は、転勤を伴うグローバルリーダー職と地域限定職を合わせて約500人でした」
「国内の採用が減っているのは、今後、海外での展開が大きくなるためです。ユニクロの日本の店舗は、現在830~840店ほどですが、今後大きく増えることはないので、採用も連動して海外にシフトしています」
――採用のフローはどうなっていますか。
「12年から通年採用しています。いつでもエントリーできますし、選考に臨めます。16年を例にすると、まず会社を知ってもらうための説明会とグループディスカッションを受けてもらいます。その後、適性検査と個人面接が2回あります」