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●世界中を駆け巡る「生産性革命」の流れの中で、現在の日本がすでにかなり遅れた位置取りになっている(グローバルなウェブサービス、クラウドサービス、シェアリングエコノミーにおいて日本発の企業がない、など)
●この「生産性革命」が生み出す改善度合いが、かつてない歩幅でやってくる
●今回の変化が、これまで経験してきた変化とは異なる次元の速さでやってくる

といった状況から、まず想像できるのは、特にホワイトカラー領域における、これまでの出世競争(有名大学への入学競争、有名企業への入社競争なども同じ)に勝ち残ることや、とにかく一つでも多くの資格を獲得しておくことなどのキャリア的な保険は、まったく意味をなさないリスクが高まるということです。

非連続な変革が起こる際には、過去のシステムやルールの中で機能した価値が壊滅してしまうことは、歴史が証明しています。まずは、これらの変化が起こるときに、「どのような人材であれば活躍できるのか」を自分なりの視点で想像してみることです。誰かに聞けばどうやればいいかがわかるマニュアルのない世界では、暗闇の中でも手探りで自分独自の地図を描いていける「自走性」こそが、個人として独立的に存在する前提となります。

既成の権力や成功パターンに頼らず、自立自走で考えて生きる、という習慣を手にした上で、インディペンデントコントラクター(専門スキルを持った独立事業主)としてキャリアを構築できるかどうかにトライし始めるべきだと考えています。独立事業主といっても会社を辞めなければいけないわけではなく、会社に勤務しながらでも、自分の中で契約内容と成果物、価格という考え方を導入するだけで、仮想的に挑戦を始めることも可能なので、かなりおすすめです。

生き残るための方策として、デジタルや英語などのスキル学習の話題になりがちですが、むしろそれ以前に、働き方のスタンスを自律的なものに切り替えることのほうが重要だと考えています。

もしホワイトカラーに限定せずに、スキルフルな世界で「生産性革命」を生き残ろうとすると、農業技術者や料理人、建築関連の職人など、デジタルの影響を受けにくい世界でのスキル習得は、まだまだ有効だと思います。年齢的に新しい価値観を持つことが難しく、変革との共存にモチベーションが持てないという場合は、職人のようなリアルな世界でのスペシャリストを選択する人が増えるかもしれません。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は12月8日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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