一生のキャリア、設計図は「好き嫌い」でつくる
渡辺秀和著 「未来をつくるキャリアの授業 最短距離で希望の人生を手に入れる!」

国内で1日に刊行される新刊書籍は約300冊にのぼる。書籍の洪水の中で、「読む価値がある本」は何か。書籍づくりの第一線に立つ日本経済新聞出版社の若手編集者が、同世代の20代リーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介するコラム「若手リーダーに贈る教科書」。今回の書籍は「未来をつくるキャリアの授業 最短距離で希望の人生を手に入れる!」。転職やキャリア形成などについて1000人以上の相談を受け、支援してきた著者が、自分らしいキャリアのつくり方を伝授する。
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渡辺秀和氏
著者の渡辺秀和さんは、一橋大学商学部を卒業して三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)戦略コンサルティング部門に入社。その後、キャリアコンサルタントへ転身します。2008年、株式会社コンコードエグゼクティブグループを設立し、社長兼最高経営責任者(CEO)を務めています。
自分のキャリアの「目的地」を決める
17年9月、安倍晋三首相を議長とする「人生100年時代構想会議」が発足し、これからの超長寿社会での生き方や経済・社会システムについての議論が始まりました。同じころ、東京大学では「キャリア・マーケットデザイン――Design Your Future, Design Our Future――」という授業が開講しました。様々な業界のエグゼクティブや起業家、学者など多様なバックグラウンドを持つ人を招いて話を聞き、未来のリーダー候補のキャリア設計を支援するのが狙いです。著者はこの授業の企画に参画し、本書を「教科書」に特任講師を務めています。
本書で著者は「自分の好きなことで、社会にインパクトを与えながら、恵まれた収入も得るという働き方は可能だ」と主張します。そのためには自分の人生でのキャリアの「目的地」を定め、そこに行き着くための設計図や地図となる「キャリアビジョン」が欠かせないといいます。