TV通販のカリスマ高田氏 サッカーでも奇跡を演出
ジャパネットホールディングス創業者の高田明氏

コミュニケーションの力と前向きな姿勢がクラブを変えた
本業の通販で忙しい旭人社長に代わり、明氏が再建を託された。「私のミッション(使命)は再生すること。赤字に陥ってどうしようもない収益構造を正して、正常なサッカーチームに戻すことが一番の目標」と明氏は語っていた。
士気を高めたコミュニケーション力
経済的な支援と通販番組で培ったコミュニケーション力でクラブのスタッフや選手の士気を盛り上げた。マーケティングの手法を駆使し、試合前に家電のチャリティーオークションを行うなど、スタジアムの外でにぎわいを取り戻すことに尽力。また、佐世保市のジャパネットの本社にも、V・ファーレンの試合をテレビ観戦しながら応援するスペースを設け、全面的な支援姿勢を明確にした。
J1昇格が見えてきた9月には、選手をゲストハウスに招いてバーベキュー会を開き、選手とカラオケで熱唱した。そんな明氏の前向きな姿勢に選手たちも感化されていった。
「監督、選手以下、試合に関わる人が余計なことに悩まされなくなり、気持ちが我々(ジャパネット)と一体になってきたところで、選手の力が発揮できているのではないでしょうか」。クラブが上昇気流に乗り、4位につけていた9月ごろ、明氏はこう語り、選手の奮闘に手応えを感じていた。