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 実際、財政環境は厳しく、チームの主力選手の顔ぶれはあまり変わっていない。今夏にレンタルで選手3人を迎え入れたくらいだ。しかし、ジャパネットの本気が伝わり、選手も変わり出した。今季、ホームでの敗戦はわずか2試合。4月末の社長就任時は4勝4敗1分けの9位だったが、それ以降は19勝6敗7分けと、勝ち星が大幅に先行した。

スタジアムを埋めたサポーターに語りかける高田氏

スタジアムを埋めたサポーターに語りかける高田氏

特に昇格が見えてきた8月末からは10勝3分けで13試合連続負けなしの強さを見せ、11月11日のカマタマーレ讃岐(香川)戦で自力昇格を決めた。今シーズンの通算成績は24勝10敗8分けのリーグ2位。もちろん過去最高である。

気持ちが変われば、勝てる

サッカーは強いチームが必ず勝つとは限らないスポーツ。明氏は「ひとつ言えるのは、気力が奇跡を起こすことがあるということ」と語る。「勝つと信じれば、勝てない試合を勝つことがある。気持ちが変われば、不可能なものが可能になります。通販でも、『売れない』と思った瞬間、売れなくなる。『売るぞ!』と覚悟を決めると、本当にそれが実現する」。その言葉通り、意志の力で引き寄せた「ゼイワン昇格」だった。

甲高い声でテレビ通販のスター的な存在になり、今もファンが多い明氏。その伝える力が、負け癖のついていた選手やファンを意識を一気に変え、J1昇格の原動力になったわけだ。

昇格決定後、地元長崎出身の選手がV・ファーレンへの移籍を決めた。来季からは人気と実力を兼ね備えた地元選手の活躍がさらに増え、観客動員にもプラスに働きそう。「ゼイワンになることは、まだまだ先があるということ。将来はゼイワンで優勝を争えるようなクラブにしたい」。明氏の夢はどんどん階段を登っていく。

(シニア・エディター 木ノ内敏久)

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