外国人上司に「やる気」を見せる5つのメール術
日本人が知らない、外国人上司/同僚も悩んでいること(3)

=PIXTA
「ある日の朝、会社に行くと上司が外国人になっていた」。こうした話を耳にすることが珍しくなくなってきましたね。とはいえ、実際に自分の身に起こったらどうでしょう。そんなときのために心得ておきたい英語コミュニケーションの勘どころを、ビジネスライティングのプロ、ポール・ビソネット氏に教えてもらいます。
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先日の米ロサンゼルス・タイムズ紙に、メアリーケイ化粧品の創始者メアリー・ケイ・アッシュさん(Mary Kay Ash)の言葉が紹介されていました。
"There are three types of people in this world: those who make things happen, those who watch things happen, and those who wonder what happened."
「世界には3つのタイプの人間がいる。実現できる人、傍観する人、気付かない人」
上司からすれば、自分の指示を無視する人より指示どおりに動く人のほうが良いに決まっています。しかし最も喜ばれる部下とは「その件はすでに対応済みです」と報告できる人材です。
率先して仕事ができる人は、どんな職場でも歓迎されます。日本に限らず外国でも同じです。でも中には、日本人特有の他人への思いやりによる謙虚さのせいで、空気を読みすぎてしまい、誰かを差し置いてグイグイ行けないと慮る人もいます。ノープロブレム。外国人なら、されて迷惑なことであれば明確にノーを言うでしょうから、積極的にイニシアティブを取っていくとよいでしょう。
では、外国人の上司や同僚、部下に対して、英語でアナタの「やる気」を見せたいとき、どのように伝えることができるでしょうか。わざとらしくなく、好印象なイニシアティブの取り方をメール・チャット文例でご紹介していきます。
(1)Independent/自主性がある
自主性を持って仕事ができるアナタは、周りから見て実に魅力的な同僚に映るはずです。
I'm going to order printing for the new brochure. (新しいカタログの印刷を注文しておきます。)
I intend to bill them for the extra color photos. (追加のカラー写真分を請求するつもりです。)
(2)Enthusiastic and positive/熱心かつ前向きである
アナタの「やる気」を簡単に伝える方法です。楽しそうに張り切って仕事に取り組んでいる人がいると、チーム全体の士気も上がりますよね。
I'll be happy to procure those samples as soon as they're available. (よろしければ、入手可能になり次第すぐ、あれらのサンプルを調達しますよ。)
I'm looking forward to working on this project. (このプロジェクトに取り組むことを楽しみにしています。)
(3)Strategic and analytical/戦略的かつ分析的に取り組む
私たちは、毎日ただ働いているだけではありません。仕事には必ず目的があって、目的を遂げるために必要な戦略や分析を行っています。そのことを伝えればいいのです。
I think it would be useful to cooperate with DE on this project. (このプロジェクトでは、DE社と協力するのが有益だと思います。)
I'm afraid we'll need ABC's official estimate to get approval. (恐れながら、認可を得るにはABCの公式見積もりを取る必要があります。)
(4)Courageous/勇気がある
難しい案件や人がやりたがらない仕事に対して、逃げ腰にならない人には感心させられます。
I'm willing to work on the most urgent project. (いちばん急ぎのプロジェクト、私がやりますよ。)
I'm ready to take on the contract renegotiation. (契約の再交渉に臨む準備ができています。)
(5)Flexible/柔軟である
不測の事態への準備ができている人は頼りになります。何か起こったときに冷静かつ柔軟に対応できれば、周りからの信頼が厚くなります。
I'm prepared to find another supplier if they are late again. (もしまたあのサプライヤーの(納期が)遅延すれば、他を見つける準備が整っています。)
If we can't get the software we need, we'll develop it in-house. (必要なソフトウェアが入手できなければ、インハウスで開発します。)
ピー・ビー・ライティングセンター代表取締役、日経ビジネススクール講師。1975年に来日以来、200社以上の大手日本企業にて、ビジネスライティングおよびテクニカルライティングを指導。