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私がこれまでお会いしてきた方々で、そうした人材に共通する特徴を列挙すると、

(1) 考え方がポジティブ

本職が経理・財務や内部統制など、役割が守備的なものであっても、考え方や仕事への取り組み方が前向き。必要しだいで悲観シナリオも作って慎重な対処ができるが、根っこには未来志向のポジティブさがある。

(2) コトやヒトの評価がフラット

価値判断がフラットで、過去の成功・失敗体験に縛られない。決めつけや偏見が少なく、他者の悪口を言わない。コミュニケーション上で感情的になることも少ない。

(3) 理想と現実の受容力が高い

仕事が理想通りに進まないことは当たり前だが、経営を実践していく上で、理想と現実の距離が開いて後退してしまう事態もよくある。単に清濁を併せのむだけではなく、危機への受容度を高めておくことも重要。

(4) 他者理解力

経営者のマインドをいかにリアルタイムに理解し、把握できるかという力も不可欠。相手の価値観や考え方のコアを知り、その人の視点でのメリット、デメリットを想定しながら動ける力がある。

(5) 自己評価がフラット

過信せず、かといって過度に自信を喪失することもなく、自分自身について客観性の高い評価ができる。事実や数字を信じる傾向が強いため、自分ごとであっても淡々と見ることができる。

(6) ストレス耐性

悲観的な状況や、絶望的な場面でも簡単に折れない。むしろ、危機的状況であるほど冷静に計算し、突破するアイデアを生み出せる。

(7) 高い傾聴力

相手の真意をくみ取るコミュニケーション力が高い。緊急度の高い場面などでは、じっくり話を聞くだけではなく、スピーディーに意思を読み取る会話ができる。

(8) 敵を作らない

裏付けや証拠がなく、心証だけで他者の悪口を言わない。事実をもとに改善要望をすることがあっても、当事者の観点に理解があるので受け入れられやすい。敵がいない(少ない)。

(9) 等距離な人付き合い

特に仕事上の付き合いでは、あまり濃淡がない。立場が異なる人物との付き合いも等距離で、特定の派閥やチームに属さず、嫌みなくフラットな立場を重視する。

(10) 参謀志向ではない

経営参謀になりたい人は多いが、実際に参謀になれるのは、スペシャリスト志向か、自らが経営者になりたかった人。

などがあります。これらはあくまで傾向的な要素ですが、経営参謀になる人の大原則は、自立したビジネスパーソンとして自ら考え、当事者意識を持って動けること。社内で、また転職を機に、キャリアアップを図りたい方にとって、不可欠な視点であるともいえるでしょう。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は12月29日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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