ラグビーの現場主義、震災でも生きた 新日鉄住金社長
新日鉄住金の進藤孝生社長(下)

新日鉄住金の進藤孝生社長
新日鉄住金の進藤孝生社長は、一橋大学でもラグビー部に入り、主将をつとめた。卒業後も監督として関わり、現在もOB会長として活動する。入社式でも、ラグビーの格言「オナー・イズ・イコール(名誉は等しい)」の心構えを新入社員に伝えるほどで、「ラグビー精神」はビジネスでも生きている。ラグビーで培った現場主義や組織のリーダーに求める条件を聞いた。
「受験のときはうちに泊まればいい」。声をかけてくれたのはラグビーの先輩だった。
ラグビーの経験は、今も生きる人脈につながりました。1浪して一橋大に入学しましたが、現役のときは東京大学を受験したんです。そのとき、東大ラグビー部のマネジャーが「受験のときに泊まるところがないなら、うちに泊まれ」といってくれた。そのころからつながりがあるんです。
僕が新日鉄に入社したのも、東大ラグビー部のOBだった桑原達朗さんが「室蘭(製鉄所)にこないか」と誘ってくれたからです。試合でよく会う東大や慶応義塾大学のOBはよく知っていたんです。室蘭では、高校時代に戦った能代工業高校(秋田県能代市)のOBにも再会しました。僕は、社会人になってからも2度、北海道代表として国体に出場したんです。当時は今のようにトップリーグやトップチャレンジリーグはなかった時代で、社会人大会のような形でした。新日鉄室蘭製鉄所は結構強かったんですよ。
社外のつながりもあります。西武ホールディングスの後藤高志社長は東大ですが、学年では2年上にあたり、若いときは飯も食わせてもらいました。後輩もたくさんいます。僕は、会社に勤めながら一橋ラグビー部の監督もやっていたんです。ブラックロック・ジャパンの有田浩之社長は、そのとき選手として活躍していました。