経営者デビューのチャンスは、人生に4度やって来る!
経営者JP社長 井上和幸
具体的なデビューの「節目」としては、大きく人生に4回巡ってきます。学生の頃からの着想を得て起業する「~20歳デビュー」、社会人経験をしながら枠にとらわれない発想で起業する、あるいは知人・友人・先輩の会社の経営に参画する「~40歳デビュー」、十分なビジネス経験・事業経験と実績を上げたことが認められ抜てきされる「~60歳デビュー」、そして、第2の人生のチャレンジとして経験や社会貢献的な思いを生かしてビジネスを興す「~80歳デビュー」です。
高齢化に寄っている訳でもなく、若手にだけ寄せている訳でもない、世代の広がり傾向にこそ、今後の時代の可能性を感じるのです。
エンプロイアビリティーを高める「経営者の5つの力」
自分の話をさせていただけば、私は大学卒業後にリクルートに入社した後、30歳過ぎにベンチャーの人材コンサルティング会社に転職、取締役になりました。4年後、30歳代半ばをすぎて、出戻り的にリクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)に入社し現場のコンサルタントから事業企画室長、マネージングディレクターを経て、40歳代前半で経営者JPを設立。社長兼CEOとして現在に至ります。
とはいえ、若い頃から「将来は経営者としてやっていこう」と明確に考えていたわけではありません。ただ、リクルートのような社風の会社を選んだこともあって、定年まで会社に身を預けたまま過ごす生き方は非常にリスクが高いとは思っていました。
世の中はどんどん変わっていくだろうし、良くも悪くも何かあったときに積極的にチャンスをコントロールできるようにする、今風に言えば、エンプロイアビリティー(雇用可能性)を高めることを強く意識していました。会社の看板がなくなったときに何をしても自力で稼げる、そして、自分で商売をしてキャッシュを持ってこられる人になれば、リスクを最も下げることになると思っていたのです。
ですから、今はおかげさまで個人としての不安はありません。会社をきちんと成り立たせ、成長発展させ続け、従業員を守るという責任はありますが、仮に今後、会社を乗っ取られ、裸で放り出されたとしても(笑)、何とかなるさ(自ら、なにがしかでそれなり以上にはまた稼げるという)という自信があります。

「経営者力の5つのチカラ」方程式
それも20歳代から30歳代にかけて、後付けの分析にはなりますが、「描く力(構想力)」「決める力(決断力)」「やり切る力(遂行力)」「まとめる力(リーダーシップ力)」「学び続ける力(学習力・習慣化力)」を磨いてきたからなのだと思います。ここに挙げた5つを、私は「経営者力の5つのチカラ」と呼んでおり、これらを順次身につけてきた方が、結果として経営者やリーダーとして活躍されている人たちの共通項となっていることを発見しました。
実際に起業する、あるいは、社長になるかどうかは別として、いつどのようなときにおいても「自分の足で立てる」仕事力を身につけようという意識を持って働くことが、これからのすべてのビジネスマンにとって「人生100年時代のキャリアデザインやリスクマネジメント」になるでしょう。
その上で、20歳代で起業してもよいし、40歳代で社長デビューしてもよい。そこまでで上に立てなかったら終わりかといえば、全くそのようなことはありません。60歳代でも、今後は80歳代に至ってからでも、チャンスは続くのです。
「長い人生、常に前進」という気概を持ち日々を楽しみながらチャレンジし続ければ、デビューの日はいつまでも続くのが、これからの「人生100年時代」なのです。
