はびこる「危険な上司」 タイプ別の対処法教えます
見波利幸著 「上司が壊す職場」

危険な上司のタイプを判別するチェックリストも載っている「上司が壊す職場」
国内で1日に刊行される新刊書籍は約300冊にのぼる。書籍の洪水の中で、「読む価値がある本」は何か。書籍づくりの第一線に立つ日本経済新聞出版社の若手編集者が、同世代の20代リーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介するコラム「若手リーダーに贈る教科書」。今回の書籍は「上司が壊す職場」。メンタル面で不調に陥る人が続出したり、メンバーのやる気が一様に低かったりするなど、職場が「壊れる」原因として、上司の振る舞いに注目した。「危ない上司」を4つのタイプに分類し、その行動様式や対処法を解説している。
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見波利幸氏
著者の見波利幸氏は、1961年生まれ。大学卒業後、外資系コンピューターメーカーなどを経て、98年に野村総合研究所に入りました。現在は、キヤノン系でIT(情報技術)研修などを手掛けるエディフィストラーニングの主席研究員として、研修や講演を行っています。
「バブル入社組」には要注意?
近年、働く人のメンタルヘルスに関心が集まっています。企業が従業員の心の健康状態を調べる「ストレスチェック制度」が2015年12月に始まり、従業員50人以上の事業所では年1回のストレスチェック実施が義務付けられました。従業員の申し出に応じ、医師による面接指導なども行わなければなりません。
日本では、働くうえで職場の人間関係が大切と考える人の割合が、外国より多いといわれます。特に上司と部下の関係に問題があると仕事もうまくいかず、大きなストレスになってメンタル問題を引き起こしがちです。著者は、産業カウンセラーとして多くのトラブルをみてきた経験から、メンタル問題の7割近くは上司に問題があると分析します。特に「バブル入社組」の管理職は人数も多いせいか、問題を引き起こすケースが目立つそうです。