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ラ・サール高校が誕生したのは戦後の1950年。ラ・サール会がフランシスコ・ザビエルの来日400年にちなみ、日本での学校設立を考え、ザビエルゆかりの鹿児島を選んだ。それから10年程度で進学校に飛躍したわけだ。東京や関西などの大都市圏から遠く離れた鹿児島市は人口60万人弱の地方都市。全国銘柄の有力企業もない鹿児島に全国から生徒が集まる進学校がなぜ生まれたのか。

週テストで鍛える

ラ・サール中学・高校のドミンゴ・ビヤミル校長

ラ・サール中学・高校のドミンゴ・ビヤミル校長

「教員は受験生のような気分でがんばってきた」(谷口副校長)。もともと明治維新の逸材を輩出した鹿児島の保護者は教育熱心。ラ・サールは創立早々、有能な教員を集め、生徒を鍛えた。毎週、英語や数学など5教科を対象に1回2時間の「週テスト」を実施、東大など難関大の入試を徹底分析して、傾向と対策を磨いた。点数が合格ラインを満たない生徒には追試や補習を繰り返す。

今も有能な教員の確保に奔走しているが、「うちの出身で、17年の東大入試で文系首席合格した横田和也くんは教師志望なのでぜひ採りたい」という。

全国から優秀な生徒を集めるのに役立ったのが、当時は珍しかった大型寮だ。「ラ・サールの魅力は寮にある」。何人もの同校OBが、こう証言する寮を見せてもらった。

5年前に建て替えたラ・サールの寮

5年前に建て替えたラ・サールの寮

県外出身者などラ・サール生の約6割は寮生活を経験する。中学生の3年間は8人部屋。中1から中3までが毎年入れ替わりながら先輩と後輩が同居する。高1~2年生は個室に入り、最後の高3は付近の下宿で暮らす。成長過程にあわせて生活環境を変える。谷口副校長は「寮は5年前に建て替えました。前の古い寮は汚くて風呂なんかも狭く、脱衣室の外で着替える生徒もいました。寮生らはここで暮らせたらどんな環境でも耐えられる」と笑う。

現在の寮は快適だ。各部屋は冷暖房完備で大きな窓があり、広い自習室には個人の机が並ぶ。朝5時に起床して「朝勉」に励む寮生も少なくない。朝食後、すぐ隣の校舎に。授業後は中学が午後6時、高校は午後6時半までそれぞれ部活。そして中学生は3時間、高校生は4時間は自主学習に集中する。舎監の先生が15人いて、常に5人は泊まり込む。「私立の進学校には珍しいが、部活は週6日。加入率も中学生は9割を超え、高3でも7割台。ラ・サールは文武両道だ」と谷口副校長はいう。

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