新人VS.先輩 会社で「びっくり体験」ランキング
国際化の流れを受け、黙って教わるスタイルが主流だった日本の教育現場でも、自分の意見を人前で話したり討論したりする機会が少しずつ増えている。
職場でも変化が起きており「会議で突然指名されても堂々と意見を言う」(55歳男性)、「自分が同じ年の頃はそんなにはきはき答えられなかった」(40歳男性)など、好印象を抱く声が多かった。
仕事をしていると、締め切りに間に合わせようとして残業が生じることも多い。新入社員は自分の都合より顧客との関係を優先する生活に慣れていないため、「トラブルが発生して大変な時に平気で休みを取る」(43歳男性)という批判が目立った。「男同士で月1回行く飲み会に誘ったら、きっぱり断った」(54歳男性)など、アフター5の付き合いの悪さを残念がる声もあった。
今の20代は少子化で競争が激しくなかったからか「覇気がなく平均で満足している感じがする」(47歳男性)と見られがち。若者側は「頑張っても人とそんなに差が開かないと言われやる気をなくした」(29歳女性)との言い分も。ジェイフィールの高橋克徳社長は「働き方が変わろうという時代に、残業を惜しまず責任を負って働く管理職を目指すのが当然との考えは無理がある」と指摘する。
マニュアルに慣れた20代を先輩はどう見ているか。目立ったのは「1から10まで伝えないと理解しない」(34歳女性)、「先輩の仕事ぶりを盗もうという姿勢がない」(55歳男性)という自発性に欠けるとの意見。
「高校、大学を通じて何でも手取り足取り丁寧に指導を受けてきた若者が多い」(45歳男性)など、少子化の影響で社会人になるまでの教育が丁寧すぎた、との見方もあった。
仕事に慣れていない新人は強いストレスにさらされる。ただ、先輩たちにとってストレスは自分で折り合いをつけるものとの意識が強く、不満を表に出すことは「何の努力や工夫もなくできないと平気で言う」(35歳男性)と映る。リクルートマネジメントソリューションズの桑原氏は「先輩から技術面の指導が少ないことも影響している」と見る。
電話を取るのは若手の役目という職場は多い。新社会人に対しては「電話を取らないのが自分の若いころと一番違う」(44歳男性)との声が目立った。
もっとも最近は固定電話がない家庭が増えている。「外線へのかけ方がわからなかった」(27歳女性)などの意見もあり、機器としての使い方に不慣れな一面もあるようだ。
世代間ギャップ いつの時代も不変
人材育成のプロがみる新社会人の特徴は「冷静で現実的」「無駄を省く」。経験は浅いが「ネット上の情報を組み合わせ一定の成果を出す自信がある」(リクルートマネジメントソリューションズの桑原正義主任研究員)。調査では自分の職場を「だらだらやる」「指導がない」と見ていた。