「company=会社」とは限らない 取り違えれば大誤解
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(14)company

言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、単語の意味はひとつだけだと思い込んでいると生じやすい誤解の話です。
◇ ◇ ◇
勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
誰もが知っている言葉が案外むずかしい。外資系の会社で経験を積み、外国人の上司、同僚、部下との会話にもほとんど困らなくなったヒロシですが、やはり英語の奥は深い、そう思わせる出来事は、現場で日々起こるものです。「だってcompany (会社)と言ったじゃないですか……」
それはこんな会話でした。
Nancy: I have company.
Hiroshi: What?! You have to work? That's too bad.
Nancy: No, I have company. My parents are coming.
Hiroshi: Ah…?
ヒロシが受け止めたように日本語に訳してみると、こうなります。
ナンシー:ええ、会社があるの。
ひろし:何?! 働かなきゃならないの? それは気の毒だね。
ナンシー:いいえ、お客様があるの。両親が来るのよ。
ひろし:あ…?
companyといえば「会社、法人」などの意味がありますが、それとは別に「仲間、友人」あるいは「同伴、来客」の意味も持ちます。また演劇集団などを「カンパニー」と言うこともあり、幅広い意味を持ちます。ヒロシはcompany 会社としか思い当たらなかったわけです。
では、どう言えばよかったのでしょう?