3つのスキル磨け 外資系コンサルが「欲しがる人材」
ベイン・アンド・カンパニーのマニー・マセダ氏

米ベイン・アンド・カンパニーのワールドワイド・マネージング・ディレクターに就任したマニー・マセダ氏
「良いコンサルタントとは、相手の共感を得られる人だ」。米コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーで2018年3月、「グローバルの代表者」であるワールドワイド・マネージング・ディレクターに就任したマニー・マセダ氏は、こう話す。外資系コンサルは、東京大学をはじめとする難関大の学生に人気の就職先のひとつ。優れたコンサルタントの条件や求める人材像について聞いた。
良いコンサルタント、「左脳」も「右脳」も大事
――良いコンサルタントの条件は何でしょう。どんな人材を求めていますか。
「私たちのミッションの核は『常に高い質を目指すこと』『互いのパフォーマンスを常に再定義すること』です。この理念に基づいて、顧客のニーズを満たす成果をあげようという熱意を持って努力しています。この理念に共鳴し、ひらめきを持って仕事をしたいという人を求めています」
「多くのコンサルタント会社には、だいたい同じような大学の出身者が入ってきますよね。日本だと東大や慶応大学、米国ならハーバード大やスタンフォード大といったところです。こうした有名大学を出た学生の多くは、分析力や専門分野の深い知識はすでに持っているかもしれません。そうした力は基本として大事ですが、私たちはそれに加えて3つのスキルを求めています」
「1つは『統合型思考』です。戦略、運用、組織をすべてつなげた上で、株主のことまで考えた仕事ができないといけません。2つ目は、顧客を理解し、密接な関係をつくる力です。そのうえで顧客の組織に変化を促すのが、ベインのコンサルタントの仕事です」
「そこで必要なのが、『左脳』と『右脳』の両方の力です。IQ(知能指数)とEQ(感情指数)ともいえます。クライアントの行動を変えるには、ただ単に賢いアドバイスをするだけでなく、共感が不可欠なのです」
「3つ目がチーム力です。1+1+1は3でなく、5でなくてはならないんです。日本の女子カーリングチームのようにね。私は(平昌冬季五輪での)彼女たちのチームワークに非常に感動しました。そういうチームワークができる人材を求めています」