大勢いるから迷惑? 「バブル世代」のトリセツ
相原孝夫著 「バブル入社組の憂鬱」

バブル世代の考え方や働き方の傾向が分かる「バブル入社組の憂鬱」。読めば、うまくつき合えるようになるかも
「バブル入社組はいま、会社内での評判がすこぶる悪い」。今回紹介する書籍「バブル入社組の憂鬱」の書き出しだ。彼らはなぜ「給料は高いのに、お荷物」「使えない」とこき下ろされるのか。その行動特性、強みと弱みを分析しながら、バブル入社組には「今後も生き生きと働く道」を、それ以外の世代には「彼らとうまくつき合うヒント」を示している。
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相原孝夫氏
著者の相原孝夫氏は1965年生まれ。自らもバブル世代の人事・組織コンサルタントです。マーサージャパンの副社長を経て、人材育成や組織開発の支援を手掛けるHRアドバンテージの社長を務めています。著書に「仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか」(幻冬舎)などがあります。
バブル世代と氷河期世代、対立する価値観
日本がバブル景気に沸いた1980年代後半から90年にかけ、大企業が競って大量採用した新入社員はいま、40代後半から50代前半にさしかかっています。年齢的には管理職世代ですが、会社によってはポストを後進に譲る「役職定年」が目前で、出世の天井が見えてしまう時期でもあります。
著者は、40代後半のときに出席した大学や高校の同窓忘年会で、ある異変に気づきました。同級生は、その5年前に比べ「疲れているようでもあり、すっかりやる気をなくしているふうでもあり、何人かの人は急に歳をとってしまったかのようにさえ見えた」というのです。
バブル世代の憂鬱の原因について、著者は同世代の多くの人と意見を交わし、次の5つの「自己分析」にたどりつきます。(1)今の時代に合わない(2)氷河期世代との相性が悪い(3)マネジメント力が弱い(4)「年下の上司」という状況が我慢ならない(5)今後の15年間が想像できない――。特にバブル崩壊後の就職氷河期を勝ち抜いて入社した、優秀な後輩世代とは価値観が大きく違うため、多くのあつれきとストレスを生んでいるようです。