変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

一方、守りの方では「生活維持費の少ない場所を選んで働くという選択肢をもっておきましょう」などと、ひたすら期待値を下げ、体温を下げて働く構えを忘れるなと説く。ただ、頑張る人には思い切り頑張ってもらって、そうでない人は、それをねたむのではなく応援してあげられる社会にしようと提言する。そのために、ベーシックインカムを導入すべきだという主張もあわせて展開する。

店頭に並んだのは12日で、そこから売れ筋上位が続いている。「新刊への反応が早いこの店らしい売れ筋。ポジティブじゃなくてシニカルなところが受けている」と、ビジネス書を担当する同店主任の岡崎史子さんは話す。

働き方めぐる本、複数上位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)家族の健康を守る家深谷賢司著(PHP研究所)
(2)「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる立花岳志著(サンマーク出版)
(3)10年後の仕事図鑑堀江貴文・落合陽一著(SBクリエイティブ)
(4)宝くじで1億円当たった人の末路鈴木信行著(日経BP社)
(5)AI vs.教科書が読めない子どもたち新井紀子著(東洋経済新報社)

(三省堂書店有楽町店、2018年4月16~22日)

1位は、医師の著者が健康と住まいの関係を自らの引っ越し経験などを基に考えた一冊。2位の本は、「好きなこと」を仕事にできるブログとソーシャルネットワークサービス(SNS)の使いこなし方を伝授する内容だ。4位は、2017年3月刊行だが、ドラマ化され、この23日に放送が始まった。店員みんながこの本をあしらったTシャツを着るキャンペーンを展開中だった。

3位は前々回に紹介した2人の人気著者が働き方を論じた本。今回紹介した本と通じる部分がある。働き方をめぐっては、多くの論者が日本の未来図と合わせて語り、会社に使われるのではなく自分中心に働くことを提唱する本が多い。5位は2月刊行の話題の本。こちらも発売から間もない3月初めに、本欄で紹介した(「AIに代替される人材とは 研究者が憂慮する未来図」)。やはり将来の日本人の働き方に関わる内容で、働くことの現在と未来からビジネス書は目を離せない。

(水柿武志)

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