変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

若手や中堅ならそれでも許容されることはありますが、ミドルやシニア層の方が、いっぱしの俯瞰(ふかん)したコミュニケーション力をお持ちでないと、「この年齢でこれでは、ちょっとなあ……」と鼻白んでしまいますよね。しかし、大丈夫です。これらの失敗パターンは、あなたが「商談型の面接」を会得していれば、無理なく回避できますので。

改善・改革できることが見えたとき=採用決定

商談であれば、あなたは相手(のクライアント)に対して、「いま御社には、どのような課題がおありですか」「今後、どのようなことをされたいとお考えですか」といったテーマ設定から入ります。そして、相手と「会話」して、その上で先方が求めることに対して、「なるほど。であれば、このような形で解決できると思うのですが」「○○を導入されると良さそうですね」といった「提案」をするはずです。これこそが、40~50歳代の転職活動で求められていることなのです。

この世代の方が、転職において、転職先企業で実現すべきは、「あなたという人材が、先方が今回求めているポジションに就き、その職責において、テーマ・課題の解決を成し遂げる」ことです。

そもそも、企業が40歳代、50歳代をわざわざ外部から招聘(しょうへい)するということは、自社のなにがしかの事業や部署を「変革・テコ入れ、ストレッチ、新規立ち上げ」のいずれかをやろう(やらねばならない)という状況です。「ただ椅子に座る人」を採用するはずがないということを、念のため、しっかり認識してください。「応募するポジションを通じて、あなたが改善・改革できることが見えたとき」が、採用が決定されるときです。

もう一つ、「商談型の面接」の良いところは、「普段のあなた」が相手に見えることです。前回記事の「『転職オファー殺到』が成功につながらない本当の理由」でも紹介しましたが、最終的なご縁は、「人間性的な部分でのフィット感」(一緒に働きたいと思えるか否か)と、「ご本人の情熱、コミットメント」(任せた職務を困難を乗り越えてでもやり遂げてくれそうか否か)の2つをしっかり感じられるかしだいです。

ぜひあなたの「普段の姿」を応募先企業に見せ、ミスマッチのない新天地を獲得できることを願っています。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は5月25日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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