変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

(1)誠実さ

なかなか定量化しづらい要素なのですが、最大の共通点は、人との約束を守り、期待を裏切らない人です。精神的な波や、忙しい時もそうでないときも安定した判断やコミュニケーションができるため、面接においても、作為的でなく自然な安心感を与えます。あまりに四角四面になりすぎるのは考えものですが、転職活動に限らず、社会人にもっとも重要な資質であることは間違いありません。

(2)ストレス耐性

この能力のある人は、予想外の事態に直面しても冷静な判断力で、周囲に影響されずプレッシャーに対処できるようです。逆にストレス耐性が低い人は、自分の置かれた環境や状況によって仕事のパフォーマンスが上下するリスクを抱えがちです。また、ストレスに強い方は、修羅場的な経験を「成長のチャンス」ととらえ、ネガティブな状態を逆手にとってより強くなるという好循環の傾向があるようです。

(3)自責性

不本意な事態に直面したときに、まず自分の責任(自責)から考えるか、自分以外の誰かの責任(他責)から考え始めるか、ここには大きな違いがあります。他責的な人はどうしても失敗を繰り返しやすく、自責性が高い人は周囲との協働性や成長性が高い傾向があり、このポイントを人物評価の重視項目とする企業は想像以上に多いと思っておいたほうがいいかもしれません。特に、面接における退職理由についての質問や、過去の成果についての質問で、自責性や客観性のレベルを確認する経営者や人事責任者が多いようです。

(4)あいまい耐性

切り抜ける方法が見えない、未知の課題に直面したときに、方法がわかるまで立ち止まってしまうのか、すべてが見えきれなくても前に進むことができるのか、という行動パターンを示すのが、あいまいさへの耐性です。ベンチャー企業や中小企業では、経営について見通しが予測できることは限られていて、霧の中のような状況や、あいまいさを抱えたまま意思決定を迫られることも多々あります。そのため、秩序だったマニュアルがなくても前進しながら経験値を積み上げていける、不透明さへの対応力が求められる傾向があります。

(5)リスクへの覚悟

リスクをとる覚悟がある人は、先に進めば困難な状況に陥ることが明白でも、「この問題を乗り越えたら得られる長期的な利益」を予測して前に進むことができます。その原動力が「おもしろそうだ」という好奇心なのか、「壁を越えたい」という競争心なのかは人それぞれのキャラクターですが、結果が見えないことを過度に恐れず、意思決定できる人は、やはり得られるゲインも大きくなる傾向があります。

これらの素養は絶対的なものではありませんが、転職市場で強いミドル世代の共通点として見逃せないものばかりです。

企業選択のポイント、成長性とミドル活用に

また、満足できる転職先を見つけたミドル世代の方々に共通するひとつの観点は、「企業の選択眼」にあるといっていいかもしれません。

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