変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

成長率が低かったり、短期間に頻繁に人が入れ替わったり、腰を落ち着けてじっくり仕事に取り組めない性質の企業を避け、人生後半のラストキャリアを懸けるにふさわしい企業を見つける力量の有無が大きな分岐になっています。

結果として、従業員数300人以下と比較的小規模で、なおかつ高い成長を継続している会社に、その方のスペシャリストとしての経験を買われて入社するというパターンが、最も満足度の高い転職を実現する確率が高くなります。

また、企業の従業員活用の考え方、哲学の中に、「事業成長に貢献してくれる人材ならば、年齢に関係なく活用し、分け隔てなく評価する」というエッセンスがあれば、より一層成功率が高まります。

ネット求人大手のエン・ジャパンが昨年実施した「ミドル人材の採用」に関するアンケートによると、8割の企業が過去3年以内にミドル世代の人材を中途採用で受け入れた経験があり、4割の企業が「3年前よりもミドルの採用人数を増やした」と回答しているそうです。ミドル世代人材の活用に積極的な企業が増加している事実は、心強い限りです。

ミドル世代の転職者をフラットに受け入れる企業も増えている。写真はイメージ=PIXTA

ミドル世代の転職者をフラットに受け入れる企業も増えている。写真はイメージ=PIXTA

ちなみに、採用された職種のトップ3は、営業職、企画職、技術系(IT・ウェブ)。さらに注目したいのは、受け入れ段階での役職。ミドル世代の人材を採用した企業のうち、実に72%が「役職なし」での採用だったそうです。

ミドル世代をフラットに受け入れる企業は、必ずしも管理職として厚遇するわけではなく、「一人のスペシャリスト、一人のプレーヤーとして、年齢に関係なく事業への貢献を求める」というスタンスを持っているのかもしれません。こうした傾向も、今後のために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。この連載は3人が交代で執筆します。

黒田真行
 
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」(【関連情報】参照)など。「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

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