「日本の経営」はどこへ 『バブル』著者が新著で考察
紀伊国屋書店大手町ビル店
グローバル化の進展の中で、明治維新後と戦後の2度の経済発展を支えた渋沢資本主義はその役割を終える。それでも日本の資本主義が生き残る上で、どんな道があるのか。著者は17の物語の最後に、渋沢の遺伝子を濃厚に受け継ぐ京セラの稲盛和夫を持ってきて、その遺伝子をさらに次の世代が受け継ぐことに希望を見いだす。
「この店は、大企業や著名経営者を正面から扱った本だと、反応がすぐ出る」とビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。反応を見越して、本書も店頭販促(POP)を立てて通路に設置した平台に積み、来店客の目を引いていた。
USJ集客の立役者の新著も売れ筋
それでは、今週の売れ筋を見ていこう。いつもはベスト5を掲げるが、今回は6位までがまとめ買いなどでのランクインだったため、ベスト10までを表に掲げた。
同率7位の3冊が店頭売り上げのトップだ。そのうちの1冊が紹介した『経営者』。2冊目の『ゴールドマン・サックスM&A戦記』は、5月に同書店を訪れたときに紹介したM&Aアドバイザーの回顧録だ。3冊目の本は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)集客の立役者だったマーケターの新著。組織論にまで深化させたマーケティング論だ。10位は、ビジネスパーソン向けの食事術の本。刊行は17年9月で、仕事以前のコンディションづくりに注目した本への関心は息長く続いているようだ。
(水柿武志)